健診で言われたこと
健診自体は和やかな雰囲気で進んでいきました。身長や体重測定、簡単な運動能力のチェックなどを終え、いよいよ医師の診察です。しかし娘の名前を呼んでも反応が薄く、簡単な指示にも戸惑う様子を見た先生は、いくつか質問をしたあと、穏やかな口調で「発達がゆっくりめかもしれません」と言ったのです。
頭が真っ白になりました。「まさかうちの子が?」という信じられない気持ちと「もっと早く気づいてあげられなかったのか」という後悔の念が押し寄せました。他の子はハキハキと返事をし楽しそうに遊んでいるのに、うちの子だけ違うように見えて、胸が締め付けられるようでした。
しかし先生が「まだ3歳になったばかりですし、個人差が大きい時期です。ただ、念のため定期的にフォローアップをしていきましょう」と、具体的なアドバイスや相談窓口の案内をていねいにしてくださったので、私は心が少し軽くなった気がしました。
私はこの一件から、子どもの成長は他人と比べるのではなく、その子のペースで見守ることが大切なのだと痛感。同時に、少しでも気になることがあれば専門家に相談することの重要性も学びました。あのとき勇気を出して相談していなければ、きっと不安な気持ちを抱えたまま過ごしていたでしょう。ていねいに対応してくださった先生には心から感謝しています。これからはフォローアップを通して、娘の成長をゆっくりと見守っていきたいと思っています。
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周りのお子さんはできているのに……と思うと、不安や心配の気持ちが大きくなってしまいますよね。しかし、健診で先生が仰ったようにまだ3歳になったばかりで、個人差が大きい時期です。引っ込み思案といった性格の影響だったり、健診という普段とは違う環境のせいだったりすることもあります。
言語面の発達は、2歳0カ月から2歳11カ月の時期に「きれい」「おいしい」などの感情を表現する言葉が言えるかどうか、自分の名前が言えるかどうか、また、「大きい」「小さい」などの言葉の意味が理解できているかどうかなどで、進行を判断します。もしお子さんの言葉が遅いと感じる場合は、話しかけるときに、今理解できる語彙や長さを意識するとよいでしょう。まだ単語の理解ができていないようだったら、実物を見せてから行動することを心がけてみてください。
例えば、幼稚園や保育園に行くときは、通園の鞄や帽子を見せる。車に乗るときは、車の鍵を見せてから行動する。そして、単語がわかるようになってきたら、なるべく具体的な単語で話しかけましょう。
ある程度わかる単語の数が増えてきたら、単語に一つ語を付け加えて話しかけるようにしてみてください。例えばお子さんが「ワンワン」と言ったら、「大きいワンワンだね」「ワンワンいっちゃったね」という風に、「ワンワン」にもう一つの語、「大きい」や「いっちゃった」を付け加えます。
そしてお子さんが「黒いワンワン」と言ったら「黒いワンワンお散歩してるね」という風に「黒い」「ワンワン」に「お散歩してる」という3つ目の語を付け加えます。
このように少しずつ語の数を増やしていき、なるべく目の前で起きていること、子どもが興味を持ったことについて、意識して言葉に出してみてください。
発達は、全般的に遅れる場合と一部の発達が遅れる場合があります。発達のよい項目はさらに伸ばし、苦手なことは、医療と療育の専門家と相談しつつ、できることを増やしていきましょう。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:椎名 ゆり/30代女性・会社員
3歳の娘を育てている母親。今年で結婚4年目。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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