やっと届いた思い
7年も不妊治療を続けていた私。通院と投薬で心も体もボロボロでしたが、それでも夫と2人で前向きに頑張っていました。
そんなある日、義実家に顔を出すと、義母が私に「息子のいとこのところは、2人目できたんだって。あの子、やっぱり“女の体がちゃんとしてる”のねえ。あなたも、もっと気軽に考えたら?」とにっこりといやみたらしく言ってきたのです。私の体がちゃんとしてないっ言いたいの……? ひどい……と思いつつも、その場は笑ってやり過ごします。しかし、内心は不妊治療が長続きしていることもありズタズタだったため、家に帰って涙がおさえられず、くやしくて泣いてしまいました。
それから半年後、ようやく妊娠が判明。つわりがひどく倒れそうになりながらも無事に安定期になったころ、義実家に電話で妊娠の報告をしました。そして、義母は「やっぱり“気楽にした”のがよかったのかしらね?」と言うので、私は「いえ、全然気楽じゃなかったですよ。毎月病院へ通って、注射もして、泣きながら頑張ってましたから。医学の力と私の努力です! 不妊治療も妊娠も、気楽なことではありません!」と胸を張って言い返したのです。義母は、「あ、そう……」とその場では絶句。しかし、その日から義母は思い直したのか、変わっていったのです。
後日、義母から長文の手紙を渡され、そこには「そんなにつらいことを、本当にありがとう。どうか、あなたの体を大事にして。不妊治療の大変さを知らなかったとはいえ、あなたをたくさん傷つけることを言ってしまってごめんなさい」と謝罪と感謝の言葉がびっしりつづられていました。
不妊治療に至るまでにも葛藤や苦労がありましたが、治療の最中も精神的、身体的な負担が大きく、家族や周りのサポートが大切だと感じました。苦労や努力をくみ取らず精神論で人を追い詰めるようなことをしてはいけないのはもちろん、義母のように言葉に耳を傾け、反省できる人でありたいと思えた出来事でした。
著者:川中あいこ/40代・ライター。マイペースな3歳の息子と、おてんばな1歳の娘を育てるママ。夫は帰宅時間が遅く平日ほぼワンオペ。転勤族で、日本中のおいしい物が食べたいと思っている。老後はどこに住むか想像するのが好き。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)
【Amazonギフト券プレゼント♡】みなさまの体験談を募集しています!
妊娠中や子育て中のエピソードを大募集!「ベビーカレンダー」のニュース記事として配信、公開いたします。体験談を掲載させていただいた方の中から、抽選で毎月5名様に1000円分のAmazonギフト券をプレゼント。何度でも応募可能ですので、奮ってご応募ください♪どうぞよろしくお願いします!