私のことを下に見るA男
ある日、私は契約の打ち合わせのため、B社の担当者に会いに行きました。しかし、ビジネスで初対面というのに、担当者のA男は馴れ馴れしい態度。どうやらA男は社長の息子のようで、「ま、座りなよ!」と明らかに私のことを下に見ているのです。
さらにA男は「オヤジが決めたことだから興味ゼロなんだよな~」と資料を見ながらひと言。私はムカつきながらも契約内容について話そうとすると、A男は衝撃発言をしました。
「この案件、俺が気に入らないってオヤジに言えば契約はすっ飛ぶかもねぇ」
「食べてもらえれば、きっとおいしさがわかると思います!!」
不安を感じつつ私は商品をA男へ。すると、A男はそれをゴミ箱に捨て、「こんなの食べる価値もないよ」と嘲笑しました。
理不尽な要求
さらにA男は、「契約を結びたいなら、俺の言うことを聞け」「あんた、俺と付き合えば会社も安泰だよ?」と男女交際を強要。私が「ビジネスとプライベートは別ですから」と拒否すると、「俺に逆らうと契約はないぞ?」と言ってくる始末です。
耐えかねた私は、「本日はありがとうございました。契約するかどうか決まりましたら、ご連絡ください」と言って退席。怒りを抱えて会社に戻りました。
とはいえ、会社のためにはB社との契約は絶対にほしい……。私が頭を抱えていると、弟が会社に来ました。実は、弟は投資の専門家で、B社の主要株主でもあるのです。
私が今日の出来事を相談すると、「姉さん、いいことを教えてあげる。近々、B社の株主総会が開かれるんだけど、サプライズがあるよ」と、弟は不敵に笑いました。
株主総会で大号泣!?
そして株主総会の日、私は取引先企業として招かれました。A男との打ち合わせは散々でしたが、無事に契約は決まったのです。
会場で会ったA男はニヤニヤしながら、「契約、結んでやることにした。せいぜい感謝して、俺に尽くすんだな。それに、俺はここの社長になるんだから」と言ってきます。
そうこうしているうちに、B社の現社長でありA男の父親が登壇。
「今日は平素よりお世話になっている株主および取引先の皆様に、新社長を発表します!」
A男が満面の笑みで前に出ようとした瞬間、社長が読み上げたのは、私の弟の名前でした。「お、俺が社長だろ!」と叫ぶA男をよそに、会場は拍手に包まれます。
壇上に赴いた弟はA男に、「あなたが社長になる!? アルバイトなのに?」とひと言。会場が静まり返ります。逆ギレしたA男は「オヤジ、何かの間違いだろ!?」と叫びますが、社長は冷静に説明。
「お前のことは、次期社長候補として育てるつもりだった。だが、社員たちとの衝突や取引先への横柄な態度。努力するどころか遊び歩いてばかり。息子とはいえ、わが社の未来を背負う資格はない。これからは社員としてでなく、アルバイトとして一から勉強してもらう」
A男は「そんな……」とその場に座り込み、大号泣したのでした。
百貨店デビューした私のブランド
B社の会長と親しかった弟は、主要株主としてだけでなく、マーケティング能力を見込まれて社長に就任することが決まったよう。
弟は「未熟者ではありますが、私と共に新たなB社をよろしくお願いいたします」と宣言。私はすがすがしい気持ちで会場を後にしました。
その後、B社との契約のおかげでわが社の看板商品はついに百貨店デビュー! 発売と同時にお客さんが押し寄せて、試食コーナーには長蛇の列ができるほど。これからも、おいしいと喜ばれる商品を届けたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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