キャリアにしがみつくのをやめてみた
40代から50代にかけては責任のある仕事を次々に任されるようになり、生活の半分以上の時間を仕事に割り当てていました。深夜残業や祝日出勤もいとわず、自称キャリアウーマンでいることに酔いしれていた私。
昭和生まれのアラフィフの世代の私には、「つらくても頑張れば、その先にはきっと良いことがある」という根拠のない根性論が身についていて、休んだり、仕事を辞めたりすることに不安や罪悪感を覚えてしまうところがありました。
そのため、自分の体調よりも仕事を優先してしまい、気付いたころにはいつも疲れていて顔色が悪く、自分自身でも「ただのおばさん」のように感じていました。50代になると40代のときの気力はすでになく、ぎりぎりの体力の中で自分を無理やり奮い立たせながら頑張っていました。
「頑張る」という言葉には妙な魔力があるけれど、結局、自分を追い込んで無理した先にあったものは、心と体から声のない悲鳴を上げている自分でした。体調を壊し、結核に患ったことが引き金となり、仕事を辞めて休養を取る選択をしました。
他人の目を意識することをやめてみた
アラフィフまでキャリアを積み重ねていくうちに、自分の中で「成熟したアラフィフ女性はこうあるべき」という固定観念に取りつかれ、周囲にはできるキャリアウーマンに思われたい、決して「ダサいおばさん」には見られたくないという気持ちが強く、常に周囲の目を気にしていました。
50歳を過ぎた大人の女性なのだから、若者のようにはしゃいではいけない、感情を表に出してはいけない、年相応のスマートに見える服装を選ばなくてはいけないなど、周囲からスマートな女性に見られることにしがみついている自分がいました。多分、無難なアラフィフ女性に見えることで世間一般に属しているような安心感があった気がします。
そんなある日、同年代の友人に言われたことでハッとしました。「もうアラフィフなんだから頑張り過ぎないで。人にどう思われてもいいじゃない」。
仕事で成果を出すために50歳までずっと走り続けてきたけれど、自分に返ってきた結果は期待した周囲の評価ではなく疲れ切った心と体。他人にどう思われるかなんてどうでもいいことで、自分がどうしたいかが一番大切。そう気付いたことで、自分らしくいられるようになりました。
決めつけるのをやめてみた
年齢とともに経験を積み重ねるほど、常識という分厚い壁が目の前に立ちはだかり、もう若くはないから新しいことには挑戦できない、年齢的に新しい趣味や勉強を始めるのは遅すぎるなど、勝手に自分の可能性にフタをしていました。
やってみなくてはわからないのに、経験値が高い分、やる前からリスクを計算し過ぎる癖がついて新しいことに挑戦する足かせに。実際に、自分が常識と思っていることは自分の経験値のみが物差しとなるため、「決めつけること」で視野や行動を狭めて、よく言えばコンサバ、悪く言えば臆病(おくびょう)な自分になっていたと感じました。
「もう少し若ければ新しい仕事や活動が始められるのに」と立ち止まっていましたが、ともにバリバリ働いていた大切な友人の死がきっかけとなり、挑戦できることのありがたみを改めて痛感。限られた人生の中で何かを始めてみたいと感じました。それを「思い立ったら吉日」と捉え、前から興味もあったので、地域に貢献できる子どもたち向けの英語のボランティア講師や、自分の可能性を広げるために副業でライターを始めてみました。
何事も決めつけないで始めたことで、得意分野が増えたので、新しいことをとりあえずやってみる、ダメだったらやめればいいくらいの緩さで、いろいろと挑戦してみることにしています。
まとめ
「アラフィフのおばさんだから」という自分の偏見にとらわれ、知らず知らずのうちに50代のおばさんはこういうものという枠にはまっていました。
とらわれない自分でいるためにこだわっていたことをすっぱりやめてみたら、心が軽くなり肩の荷がどさっと下りた感覚です。どうしてもっと早く気付かなかったのだろうと思うこともありますが、人生のプロセスをいろいろと踏んだからこそ見えてきたものだと思っています。頑張り過ぎない自分になれたことで、人生がより豊かになった気がしています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:田川 いずみ/50代女性・独身。コロナ禍を機に、人生における健康の大事さを実感し、里山に移住し田舎暮らしを楽しんでいる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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