あいさつも何もなしにズカズカとわが家に上がり込んできて、連日好き勝手する義姉に怒る夫。私が返答に困るとわかって「私が来るのは迷惑かしら?」と、涼しい顔で私に許可を求めてくる義姉は、夫よりも一枚上手です。
困り果てた夫は、この件を義実家に報告。義両親が義姉に直接注意してくれて、義姉は来なくなりました。これでひと安心かと思っていたのですが、数日後、とんでもない事件が起こったのです。
マンション管理会社から苦情
その日は、心待ちにしていた家族旅行の日。しっかり戸締まりをして出かけました。ところが、その日の夜、マンションの管理会社から連絡が入ったのです。わが家への騒音の苦情が何件も来ていると、ものすごい勢いで注意されました。
電話を受けた私は、何のことかわからずキョトン。私たちは、家族旅行で沖縄にいるため、誰もいないわが家から騒音がするはずがありません。
事情を説明すると管理会社の方は、とても驚いていました。しかし、確実にわが家からの騒音だと言います。私は、近所に住む義両親にお願いして、家の中を確認してもらうことにしました。
合鍵は双方の両親にしか渡していないため、わが家に自由に出入りできる人は他にいないはず。怪しい人物は、1人いますが……。
確認してもらうと案の定、家の中には義姉の姿が。友人を何人も招き、わが家で大騒ぎをして、パーティーを楽しんでいたそうです。義両親に強制解散させられ、友人たちは気まずそうに帰っていき、その場に立ち会った管理人さんも誤解だとわかってくれて、管理会社に報告してくれました。
そして、義両親は義姉を連れ、マンションの他の部屋を回って謝ってくれたそうです。その後、義姉は義実家へ連行。騒動がひと段落したおかげで、私たちはそのまま旅行を続けることができ、数日後に予定通り帰宅しました。
トンデモ義姉の言い分に絶句
帰宅後すぐに、私たちは義実家へ。気まずそうに下を向く義姉に夫が説明を求めると、私たちの幸せな暮らしを妬んでの犯行だったとわかりました。義実家にあった合鍵をこっそり持ち出して、わが家に侵入。友人たちとどんちゃん騒ぎをしていたようです。
義姉は「いいマンションに住んで、私より幸せそうで、余裕のある暮らしをしていることが気に入らなかったのよ!」と、私たちに恨み節。以前聞いた話では、義姉はわが家以上に豊かな暮らしをしていたはずです。そう私たちが言うと、義姉は「全然いい暮らしじゃない! お金が足りない!」と不満をぶちまけました。
どうやら、義姉は無駄遣いがひどく、義兄からあまりお金を渡してもらえなくなってしまった様子。クレジットカードを限度額いっぱいまで使い、それでも足りず日本円の貯金にも手をつけていたそうです。普通に暮らしていれば義兄の現地での収入だけで、十分余裕のある暮らしができるのですから、お小遣いを減らされても当然です。
義姉は、エステにブランド品の購入、高級レストランで食事……と、義兄のお金を散財し、遊んでいました。お小遣いを減らされても散財癖は治らず、日本に一時帰国しても自由に遊ぶお金がなく、イライラしていたと言います。
そんな気分の中、私たちの生活を見て腹が立ったため、友人たちとホテルに泊まってパーティーでもして気晴らしをしようと思いついたのだそう。しかし、そのお金すら持ち合わせておらず、お小遣いをねだったものの、義兄は義姉の要求をスルー。それならホームパーティーをしようと考え、一時帰国中の仮住まいのマンションでは手狭なため、わが家でパーティーをしようとひらめいたのだとか。なんて勝手な……。
家族全員から捨てられることに…
慣れない海外での暮らしによるストレスや、久しぶりの日本で自由に遊べないストレスなど、いろいろあったのかもしませんが、義姉がしたことはれっきとした犯罪。家族とはいえ、家主が不在の家に勝手に上がり込むのはNG。まして騒いで、ご近所に迷惑をかけるなど言語道断。
義姉は義兄のことをケチだとけなしていましたが、駆けつけた義兄から話を聞いたところ、お小遣いは月に30万円も渡していました。それどころか、英語を勉強したいと言い、語学学校代も義兄から受け取っていたのです。今回の一件で、義姉を怪しんだ義兄はすぐに、義姉が通っているはずの語学学校に電話。そんな生徒はいないと言われ、義兄はがく然としていました。義姉は義兄に嘘をつき語学学校代を受取り、そのお金も遊びに溶かしていたのです。
それから数週間後、義兄と義姉にわだかまりを残したまま、赴任先に戻りました。しかし、義姉にはまだ隠し事があるのではと疑った義兄は、現地で探偵に相談。義姉の行動を探ってもらったそうです。すると、すぐに不倫が発覚。義姉は日本への一時帰国から1カ月も経たずに、義兄から離婚を突きつけられ、ひとりで日本へ帰国しました。
後日、義姉と義兄は離婚が成立。慰謝料だけでなく、嘘をついて巻きあげていたお金の返還も求められているのだとか。義両親からは縁を切られ、私たちはもう二度と関わらないと約束してもらいました。
借金まみれになった義姉は、今どこで何をしているかわかりません。もう二度と会うことはないと思うと、ホッとしています。私たちは平和な日常を取り戻し、家族3人で幸せに暮らしています。義兄も今は海外での仕事を終えて、日本に戻り、ひとりで優雅な暮らしをしているようです。
◇ ◇ ◇
嫉妬心は、ときに常識を逸脱した行動へと人を駆り立ててしまうことがあります。他人の幸せを妬み、その生活を踏みにじるような身勝手なおこないは、やがて自らの孤立と破滅を招くだけです。家族という近い関係であっても越えてはならない一線を守ることが、お互いの平穏を守るために不可欠でしょう。親しき中にも礼儀ありというように、家族だからこそ相手を尊重して、信頼を崩さないよう慎重な言動を心がけたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。