夫は「フリーランスは自由が命」と言い、気ままに過ごしています。イライラすることもありますが、夫の仕事が軌道に乗るまでは何も言わずに見守ろう! そう決めたのですが……。
娘から「パパ、家にいないよ…?」と連絡が
ある日の午後、娘から「パパが家にいない」と電話がかかってきました。今週は午前授業だったため、娘の帰宅時間に合わせて夫に家にいてもらうよう頼んでいたのですが……。慌てて夫に連絡すると、「ごめん!これから帰るから」とのこと。夫は「取引先の人に呼ばれて〜」と言っていましたが、本当かどうかはわかりません。
そして翌日。今週は娘が早く帰ってくると伝えてあったのに、またしても夫は不在でした。連絡すると、義弟の家にいるとのこと。最近、夫の弟夫婦に女の子が生まれ、夫は時間を見つけては通い詰め、自分の娘のことは後回しで姪の世話ばかり焼いています。
「自分の娘より姪っ子を優先するのはどうかと思うよ?」と伝えると、夫は「別に優先してるわけじゃない。今日は弟夫婦にデートさせてあげるために、子守りをしてたんだ」と言うのです。「自分の娘のことをもっと考えてよ」と詰め寄っても、夫はどこ吹く風。「娘はもう小3だぞ? 留守番くらいできるって。ほんと大袈裟だよなぁ〜」と無責任な言葉をかけられ、私は怒りで目の前が暗くなるようでした。
義母から聞いたことを夫に伝えると…!
そして数日後、スーパーで偶然会った義母から告げられた一言に思わずゾッとしたのです。来月の3日、義実家で姪っ子の誕生日会をするから来なさい、とのこと。夫に伝えると、「おう!もちろん行くよな?」と返ってきたのですが……。
義母はこれまで一度も娘の誕生日を祝ってくれたことがありません。どう考えても、今回の誘いは嫌がらせとしか思えませんでした。私がそう訴えると、夫は「しょうがないだろ。お前は母さんと仲が悪いんだから」と平然と言い放ち、さらに「お前が専業主婦にならなかったからだ」と私を責めてきたのです。彼がフリーランスになって不安定になった家計を支えるため、正社員として働き続けているというのに――。
「俺だって本気を出せば、お前より稼げるけどね。そうしないのは、お前のメンツを立ててやってるからなのに感謝がたりないよなぁ。そういうところじゃない?母さんに嫌われてる理由って」次々と繰り出される屁理屈と侮辱に、私は言葉を失いました。そして話はさらにエスカレートし、夫は弟の嫁をやたらと持ち上げはじめたのです。「清楚で料理がうまくて、声もかわいい。すべてが癒やしなんだよなぁ。弟はいい嫁さんを捕まえたよ」
私は何も言い返しませんでした。――いいえ、言い返す必要もありませんでした。このとき、私の心は決まったのです。
そして数週間後。因縁の3日がやってきて…!?
案の定、夫からの電話は怒声から始まりました。
「おい、今日が何の日か忘れたか?」
「姪っ子の誕生日会だぞ!」
「今すぐ実家に来いアホ嫁!」
娘の誕生日を完全に忘れ、姪っ子のお祝いに夢中な夫。私は静かに、しかしはっきりと告げました。
「今日は娘の誕生日なので無理です」
夫は慌てて「もちろん覚えてるよ!」「娘の誕生日祝いも兼ねてるんだ」と取り繕いますが、そのウソはあまりにも稚拙でした。「だったら、娘へのプレゼントもケーキも用意してるのよね? 今すぐテレビ通話で見せて」――私が追及すると、夫はしどろもどろになり、「じゃあ、1時間後に帰るから!」と逃げるように電話を切りました。姪っ子ばかりを優先する夫に違和感を覚えた私は……。
夫の周辺を徹底的に調べ、そして冷静に事実を突きつけました。「あなた、弟のお嫁さんを狙ってるんでしょ? 弟さん、最近は長期出張で家を空けることが多いんだってね。お嫁さんが、“お兄さんがよく来て困っている”って私に打ち明けてくれたんだけど……」そう追及すると、夫は観念したように好意を抱いていることを認めたのです。
真実が明らかになった今、私たち夫婦は…
真実が明らかになり、離婚に向けた話し合いが進むなかで夫から連絡がありました。「俺たち、本当に別れなきゃダメなのか?」――電話の向こうから情けない声が聞こえてきます。好意を抱いていたのは夫だけで未遂に終わりましたが、仕事もせずに弟のお嫁さんに手を出そうとしていたなんて……本当にあきれます。
「誘惑されてると思って……」と苦し紛れの言葉を口にしましたが、私が一番許せなかったのは夫の“父親としての姿勢”――それこそが、どうしても受け入れられなかったのです。「自分の子を平気で後回しにするような男なんて、もう必要ない」そう言い残し、私は電話を切りました。
その後――私たち夫婦は離婚が成立。元夫は義母や義弟からも縁を切られたと聞きました。私はというと、今も仕事を続けながら、娘と穏やかで幸せな日々を過ごしています。
◇ ◇ ◇
夫の身勝手すぎる言動の数々にはあきれてしまいますね。今後はせめて養育費をしっかり支払い、父親としての責任を果たしてほしいですね。
【取材時期:2025年6月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。