美人で仕事ができるA子さん
僕は都内に本社のある大企業に勤めています。ある日、そろそろ帰ろうと席を立ったところ、同期入社のB男が「久しぶり! 一緒に帰ろうぜ!」と声をかけてきました。
僕は「いいよ」と返事をし、2人でエレベーターで1階へ。受付の前を通ろうとすると、受付担当のA子さんがいました。A子さんは仕事のできる美人社員として有名ですが、笑顔を見せることはほぼなく「美人だけど少し冷たい女性」と噂されています。
お調子者のB男はA子さんに「お疲れさまで〜す!」と明るくあいさつ。一方、A子さんは「……お疲れさまです」といつものようにテンション低めで、B男は僕に「やっぱり彼女はクールだな」と耳打ちしました。
A子さんの本当の性格は…
ただ、僕は知っているのです。A子さんが本当はとてもおっちょこちょいなことを。
実は、僕はA子さんがミスをしている現場に遭遇することが多いのです。たとえば半年ほど前、来客を案内する部屋を間違え慌てている彼女を発見し、僕はさりげなく助け舟を出しました。また、彼女の社員証が廊下に落ちているのを見つけ届けたことも。
ただ、彼女は自分がおっちょこちょいだと周囲にバレたくない様子のため、僕は彼女のミスを周囲に明かすことはありませんでした。
独身だと話すと!?
そんなある日、会社の廊下を歩いているとA子さんにばったり。「お疲れさまです」とあいさつをした瞬間、彼女は両手に抱えていた書類を床に落としてしまったのです。
僕は「大丈夫ですか?」と言いながら急いで書類を集めました。すると、A子さんは小さな声で「ありがとうございます。毎回毎回、私を助けてくれて本当にいい人ですね。奥さんがうらやましい」とポツリ。
「奥さん? 僕は独身ですよ」と返すと、急にA子さんは動揺し始めたのです。
「こんなにいい人なのに独身なの!? でも、彼女はいますよね?」
「いませんよ。僕、告白しても振られちゃうことが多くて……」
「え〜!! 嘘でしょ〜!! 」
いつものクールなA子さんとのギャップに僕はびっくり。もう少しA子さんと話したい気持ちはありましたが、会議の時間が近づいていたため、「また!」と言ってその場から去りました。
プライベートでも交流するように
それから数日後、仕事が終わり会社を出ると、ちょうどA子さんも帰るところだったよう。なんとA子さんのほうから「駅まで一緒に帰りませんか?」と誘われたのです。
最初は何を話せばいいかわからなかった僕ですが、思い切って「A子さんって、実はとてもおっちょこちょいですよね?」と聞いてみることに。すると彼女は、「バレてますよね。私は昔からドジで周囲からバカにされることが多くて……。だから職場ではクールなキャラを演じているんです」と打ち明けてくれたのでした。
そして別れ際、僕たちはプライベートな連絡先を交換。毎日連絡を取り合うようになり、映画や遊園地デートをする仲になったのです。
「あなたの結婚相手に…」
それから数カ月後、僕はまたしても会社でA子さんが書類を床に落としている場面に遭遇。「手伝うよ」としゃがみ込むと、彼女から驚きのひと言が。
「私、あなたの結婚相手に立候補してもいいですか?」
僕は「えっ、ここで告白!?」とびっくりしながらも、天然な彼女らしいと思わず笑いが止まらなくなってしまいました。
「どうして笑うの! ひどい!」と拗ねる彼女に、「僕でよければよろしくお願いします!」と返事。こうして僕たちは、恋人となったのでした。
ちなみに、仕事のことを考え、僕とA子さんの関係はB男以外の社員には秘密。彼女を見かけるとついにやけてしまいますが、周囲にバレないよう必死に隠しています!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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