義実家に行くのが憂うつな理由
義母は「私、悪い人じゃないのよ。ただ、ちゃんとしてほしいだけなの」と言いながら、私が洗った皿を黙々と洗い直し始めました。年に数回の帰省なのに、毎回こんな感じで空気はいつもピリピリ。キッチンに立つと「そのやり方、ちょっと違うのよね」「あら、それ先にする?」と細かい指摘をされモヤモヤします。私が言い返せば空気はさらに悪くなると思い黙っていますが、あまり言われすぎると胃が痛くなることも。
そんな中、リビングで3歳の娘が絵本を手に「ばぁば、いっしょに読んで〜」と声をかけます。すると「ばぁば、今は忙しいのよ。パパに読んでもらいなさい」と義母がピシャリ。娘はしょんぼりして、絵本を閉じました。見かねて「ちょっとだけ一緒に読んでくれたらうれしいです」と声をかけると、「私はもう子育てを卒業してるから、そんなのごめんだわ。それに、昔は全部ひとりでしてたのよ。こういうのは親が読んであげるべきよ」とまるで相手にしてくれません。
どうしても納得できず、夜、夫に「私、何かした? なんであんなにお義母さんはピリピリしてるの?」と聞く私。すると夫は「うーん、昔からあぁなんだよ。父さんが早く亡くなってからは、特に。でもさ、そこまでしなくてもよくない? って、俺も思う」と共感してくれました。
すると翌朝、義母が突然私に向かって「あの子(夫)から聞いたわ。あなたも大変なのよね。いつもつい口出ししてしまって、あとからよくなかったって反省するんだけど……。私、家事や育児は全部ひとりでしてきたから、自分のやり方と違うと気になっちゃって……」とつぶやきました。私は「急に何なの…?」と戸惑いましたが、すぐに理解しました。それは義母なりの謝罪だったのです。今まで家事や育児に口出ししてきたことを、反省しているのだと感じました。
どうやら私への当たりのキツさを、夫が義母に注意してくれたのだそう。私は「そうだったんですね。きっと、すごく……すごく頑張ってこられたんですね」と義母を労いました。義母は「……そうかもね」と言い、少しだけ表情が和らいだ気がしました。
その後、義母は少しぎこちないながらも、孫である3歳の娘に絵本を読んでくれたり、遊び相手をしてくれたりと育児をサポートしてくれるように。家事についてはまだ指摘を受けることもありますが、嫌みな言い方をされることは減ったので、私も義母のやり方を素直に受け入れられるようになりました。
なかなか思い通りにいかない関係性の中でも、相手の背景に少しだけ思いを馳せてみることが大切だと思いました。少しずつ歩み寄ることが、家族になる努力のひとつなのかもしれません。
著者:井島りほ/30代・ライター。3歳の女の子と6歳の男の子を育てるママ。おしゃべりが大好きで寝るのが苦手な兄妹と、にぎやかな毎日を過ごしている。
作画:ひのっしー
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)
【Amazonギフト券プレゼント♡】みなさまの体験談を募集しています!
妊娠中や子育て中のエピソードを大募集!「ベビーカレンダー」のニュース記事として配信、公開いたします。体験談を掲載させていただいた方の中から、抽選で毎月5名様に1000円分のAmazonギフト券をプレゼント。何度でも応募可能ですので、奮ってご応募ください♪どうぞよろしくお願いします!