閉店の危機にある定食屋に通う唯一の常連客
両親が営んでいた定食屋をひとりで切り盛りすることになりました。父の急死、母の入院と続き、店の経営はどんどん厳しくなっていきました。客足は遠のき、ランチタイムでも閑古鳥が鳴く日々。「本格的にヤバいな……」と、ため息をつくことも増えました。
そんな中、唯一の常連客がいました。ガリガリで無口な若い女性・セリナさん。彼女はいつも一番安いオムレツ定食を注文し、静かに食事をして帰っていきます。(きっと何か事情があるんだろうな……それでも通ってくれるのはありがたい)と、俺は心の中で思っていました。
思いがけない支援の提案
母の入院費のこともあり、店を閉めて別の職場で働くことも考え始めました。ついに定食屋を閉める決断をすることに。そのことをセリナさんに伝えると、彼女はショックでお釣りを落としてしまいました。
「こんなにおいしいのに……」
そのひと言に胸が熱くなりましたが、現実は厳しいまま。ところが、会計の後、セリナさんは突然俺にこう言いました。
「私がお店を支援します!」
「お店を残したいし、あなたのことも支えたいんです」
思いも寄らない申し出に戸惑いました。「そんな大金、どうやって……」と疑問を口にすると、彼女は「本気ですから!」と真剣な眼差しで答えて、店を後にしました。
その夜、いつもよりドレスアップしたセリナさんが現れ、実家が資産家だと話してくれたのです。
定食屋が常連客の心の支えとなって…
「どうして社長の娘のキミがうちみたいな定食屋に……?」と尋ねると、「一目惚れです……♡」「もしくは『一舌惚れ』かしら?」と照れながら告白されました。
セリナさんは幼いころから体調が優れず、食べ物もあまり喉を通らなかったそうです。そんな中、偶然入った定食屋のオムレツ定食が「今までで一番おいしい」と感じ、以来、通うようになったと話してくれました。
「あなたがやさしく声を掛けてくれて……。前向きな気持ちで生きられるようになったんです!」
店の味と俺の人柄が、彼女の心の支えになっていたことを知り、胸が熱くなりました。
新たなスタートへ
セリナさんは経営面でも力を貸してくれ、メニュー開発や宣伝方法を提案。やがて店は活気を取り戻し、母も退院。新しいアルバイトも加わり、店は再び笑顔あふれる場所になりました。
ある晩、セリナさんは俺にこう言いました。
「私と、結婚を前提にお付き合いしてください!」
突然のプロポーズに驚きつつも、俺は「店をしっかりと支えられるくらい繁盛させたら」と約束し、2人は新たな一歩を踏み出すことになりました。
まとめ
人生がうまくいかないとき、思いがけない出会いが運命を大きく変えることがあります。困難な状況でも人のやさしさや小さなご縁が支えとなり、前向きな一歩を踏み出す勇気をくれる、そんなことを改めて感じさせてくれました。自分の努力だけでなく、誰かの「応援」や「ありがとう」が、人生を明るく照らしてくれるのかもしれません。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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