娘の高熱と、私の不安な夜
娘が1歳のとき、インフルエンザにかかり、41度の高熱で体調が悪化してしまいました。
働きながらの看病は難しかったため、県外から義母にも手伝いに来てもらうことに。高熱で震える娘を必死に抱っこし、義母と一緒に看病する日々が続きました。
そんなとき、夫から「仕事終わりに取引先との大事な飲み会があるから遅くなる」との連絡が……。こんなときに飲み会?と思いましたが、義母もいてくれるし、仕事の付き合いだから仕方ないと渋々了承することにしたのです。
私はその夜、「娘の病状が悪化したらどうしよう」と不安な気持ちを抱えながら、一晩寝ずに高熱の娘の看病を続けました。幸いにも薬が効き、翌朝には熱も落ちついたので、ホッと胸をなでおろしたのでした。
タブレットが暴いた“まさかの裏切り”
それから1カ月ほど経ったある日、娘がタブレットで動画を見たあと、何やらデータフォルダをいじっていました。なぜか夫のスマホとタブレットが同期されていたようで、画面には夫の写真データが表示されている様子。
するとその中に、裸の女性と写る夫の写真が――。
驚いて日付を確認すると、それは娘がインフルエンザで高熱を出し、義母が来てくれていた日。「取引先との飲み会」だったはずのあの日、夫は一体どこにいたのか? 写っている女性は誰なのか? 私の怒りは一気に爆発しました。
帰宅した夫を問い詰めると、「取引先の社長に誘われて夜の店に行った。リーズナブルな金額のお店だったから……」と謎の供述。
私たち夫婦の間では、“そういったお店の利用OK”などという話は一切していませんでしたし、まさか娘が熱を出したタイミングで行くなんて想像もしていませんでした。
わが家は月3万円のお小遣い制でしたが、どうやら夫としては「お小遣いの範囲内に収まるリーズナブルな金額だから問題ない」という認識だったようです。
何に夢中になっていたの?
私は、なぜよりによって娘が高熱で苦しんでいるときに、そのような場所へ行くのか理解できませんでした。
「私にはあなたの考えていることがわからないし、悲しい。娘よりも自分が優先なのね!」と伝えると、夫は「本当に自分が悪かった。申し訳ない。許してくれると思った」と謝罪。
しかし怒りが収まらない私は、謝罪された翌日に区役所へ離婚届を取りに行き、夫に突きつけました。
すると、「離婚だけはしたくない! 二度と裏切ることはしないから、許してほしい」と土下座する夫……。
私は「娘をもっと大切に思ってほしい。自分がしたことの重みをしっかり理解して、反省してほしい」と伝え、今回は夫を許すことにし、家族として再構築していくことを決めました。そして、「子どもが体調不良のときには子どもを優先すること」を夫と約束。
その後、夫は自分の行動がどれほど無責任であったかを痛感し、二度と娘が体調不良のときに飲み会や夜の店へ行くことはなくなりました。マメに連絡をくれ、家事・育児を積極的に手伝ってくれるようになったのです。
あれから8年。かつては自分の快楽を優先して夢中になっていた夫ですが、深く反省し、今では娘に夢中です。あの出来事を機に「子どもを最優先にする」と約束し、それを守り続けています。
その後も娘が体調不良になるたび、夫は率先して看病し、娘はすっかりパパっ子に。私の仕事が忙しいときには食事も作ってくれる、頼もしい存在になりました。
あのとき離婚しなくて本当によかった。家族としての絆と信頼は、あの出来事を乗り越えて深まったのだと思います。
著者:御法川 元子/30代女性。2015年生まれの女の子の母。子どもが生後4カ月のころから企業の広報担当として働いているワーキングマザー。パニック障害を患いながらも明るい性格で元気に毎日過ごしている。波瀾万丈な人生だが、明るく楽しくをモットーに! 趣味は音楽鑑賞・カラオケ。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
※AI生成画像を使用しています