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浮気相手とラブラブな夫に離婚を切り出すと…→「離婚は勘弁してくれ!」は?夫が頑なに拒むのはいったい…?

私たちは共働き夫婦。夫は毎日会社へ行き、私はほとんど在宅ワークでした。在宅とはいえ、フルタイムで働く私は、夫にたびたび家事を手伝ってほしいとお願いしていました。しかし、夫は聞く耳を持たず、次第に「そんなに文句あるなら、もう別れたほうがいいんじゃない?」と言うようになっていったのです……。

「俺だって手伝おうとは思ってるんだよ! でも、朝晩の満員電車で疲れてるし、最近は仕事も忙しいし」と、最初のうちはなんだかんだと言い訳していた夫。しかし、だんだんと「なんか最近、ピリピリしすぎじゃない?」「そんなにイライラするなら別れたほうがいいかもな」と言い出すようになったのです。

 

私が「それ、本気で言ってる?」と返すと、「冗談に決まってるだろ」と夫。そして、いつも決まって「こんな冗談も笑い飛ばせないなんて……前はもう少し可愛げもあったし、俺の冗談で笑ってくれてたのにな~」と、ため息まじりに言うようになったのです。

 

 

心が折れかけたある日、義姉からの連絡

心から笑える冗談なら、今の私だって笑っていました。冗談とはいえ、別れを持ち出されるたびに、私の心は傷ついていました。

 

言い返せば「マジレス?」と嘲笑われ、夫に軽んじられているとすら感じていたのです。

 

心が折れかけていたそんなときに、義姉から連絡が。義姉は、親族の集まりなどで年に数回挨拶を交わすだけの人でした。いわゆるバリキャリで仕事のために国内外を飛び回っているので、在宅を好む私とは正反対な存在だと感じていた私。義姉から連絡があったことにとても驚きました。

 

「いきなり連絡してごめんなさいね。弟のことをちょっと聞きたいんだけど……」と義姉。いつもはきはきしゃべる義姉ですが、その日はなんだか歯切れが悪いように感じました。

 

「はい、なんでしょう?」と返すと、「うちの弟、先週の半ばに東北に出張してなかった?」と義姉。リビングのカレンダーをチェックすると、たしかに夫は先週東北に出張していました。

 

「私も先週東北出張に行っていたんだけど……そこで、弟っぽい人物を見かけてね。遠目だったからはっきりとはわからなかったんだけど」「隣に、あなたじゃない女性がいたような気がして……」

 

最近の夫との会話を思い返した私。たしか、最近夫の部署に後輩が入ってきたと言ってきていたような……。

 

「最近、後輩が入ってきたと言っていたので、その人だと思いますよ。教育係に任命されたから大変だ、とか愚痴をこぼしてましたし、実際忙しそうですし……」と私。

 

「たしかに、スーツは着てたわね。でも、私には2人がただならぬ関係に見えたのよ」「決定的な浮気現場を見たわけじゃないけど、なんというか距離感が先輩後輩じゃないっていうか……」「ごめんなさいね、でもあなたには伝えておいたほうがいいと思ったの。弟から直接話を聞いたわけじゃないし、杞憂で終わることを祈っているんだけど……」

 

毎日のように「別れたほうがいいんじゃない?」と夫に言われていた私。義姉の話を聞いて、ショックよりも先に「やっぱり……」と思ってしまいました。

 

「ありがとうございます、お義姉さん。実は最近、気になっていたことがあるので、助かります」と言うと、「え? なにかあったの?」と義姉。そこで、私は最近の夫の冗談について義姉に話しました。

 

「弟がそんなことを……私も昔、親友から同じような言葉を言われて傷ついたことがあるの。『なら絶交ね』って口癖のように言う子で……『なんでそんなこと言うの!?』って私が言うと、『冗談に決まってるじゃ~ん』ってへらへら笑ってたわね」「あの手の冗談って、言われたほうは本当に傷つくのよね。その子と私は結局疎遠になったけど、あなたたちは夫婦だし、関係性が違う。もともと弟は調子に乗りやすい子だったけど、それはないわね」

 

「笑って受け流せない私が悪いのか、とも思っていたので……お義姉さんに話せてよかったです。少し心がラクになりました」「その後輩のことも含めて、夫とのこれからについてはしっかり考えようと思います」と言うと、義姉は「私の思い違いかもしれないから、まずは弟に確認してみてね。そのあとは夫婦でよく話し合ってね」と心配そうに言ってきたのでした。

 

 

浮気の影、そして決定的な通知音

それからというもの、私は家での夫の行動を注意深く見るようになりました。夫は家の中でも常にスマホを肌身離さず持っていました。通知音が鳴るたびに、私の位置を確認してスマホをチェックするのです。

 

これまでの結婚生活をなかったことにしたくなくて、私はわずかな希望をもって夫を観察していたのですが……夫の行動を見れば見るほど疑いたくなってしまいました。もちろん、この観察期間も夫の質の悪い冗談は繰り返されていました。

 

 

 

その数日後――。

 

普段は入浴中ですらスマホを離さない夫。しかしその日は充電がなかったのか、リビングの充電器にスマホをつないだまま入浴していました。

 

夫のスマホにはロックがかかっており、私では開けません。それでもなにか証拠をつかめないかと思い、震える指を伸ばしたそのときでした。

 

ピコンッと、通知音が鳴りました。

 

画面には、ある女性の名前とともにメッセージの通知が表示されていました。最近、スマホを機種を変更したばかりの夫。いろいろと設定をしていたようでしたが、通知プレビューの設定は、オフにしたつもりになっていたのかもしれません。

 

わかっていたはずなのに……。ハートマークが並ぶその内容に、私はひどくショックを受けました。続けて届いたスタンプも、恋人や夫婦でしか使わないようなものでした。

 

それ以上見ていられなくて、私は結局夫のスマホに触ることなくその場を離れました。中身をきちんと確認したわけではありません。でも、私はもう確信していたのです。怒りも悲しみも確かにそこにあるはずなのに、なぜか何も感じられませんでした。

 

お風呂から出てきた夫に、「話したいことがあるの」と言うと、「またその話か?」と返されました。

 

「どうせ、また家事うんぬんのことだろ? 最近こんな言い合いばかりで、俺はもう疲れたよ」「こうなったらもう、本当に離婚したほうがいいかもしれないな」

 

ついに「別れ」だけでなく「離婚」という言葉を使ってきた夫。でも、そのときの私はもう、何も感じられなくなっていました。怒りも、悲しみも通り越して、ただ冷静に「この人とはもう無理だ」と思えたのです。何度も傷つけられてきた言葉の積み重ねが、私の気持ちを完全に冷めさせていたのでしょう。

 

「……そうね。もう私たち、穏やかに話し合いすらできないものね。もう離婚しかないわよね」「今までなにかある度に『別れるしかない』って言ってたじゃない? あれ、明るく冗談だってごまかしてたけど……実は本音だったんでしょう? 気づかなくてごめんね」

 

 

いつもと違う私の様子に、目を見開いた夫。「お、おい……お前、離婚って本気で言ってるのか?」と聞いてきたので、「『離婚』なんて冗談で使っていい言葉じゃないもの。あなただって今日初めて使ったよね? だから、あなたももう限界なんでしょう? 私ももう疲れたよ」と返した私。

 

「『別れる』って、いつもただの冗談だって言ってるだろ?」「急にそんな本気で怒られても、俺も困るんだけど」

 

夫の言葉に、私は思わずため息をつきました。

 

そして「冗談ってさ、ふたりで笑い合ってこそだと思うの。でも、私は笑えなかった。あなたの言葉はいつも別れを連想させて……そのたびに心が削られてた。苦しくて、悲しかったの」「あなたもこんな結婚生活嫌だろうし、私もこれ以上傷つくのは嫌。だから、別れましょう」と淡々と言った私。

 

「え……お前こそ、そういう冗談はやめようよ。それじゃお互いさまじゃん」と夫。私は「私は冗談で言ってないわよ。本当に離婚しようって言ってるのよ」と返しました。

 

「え……うそだろ? そんなに怒ってたのか? 俺の冗談に。俺は冗談で本気で言ってなかったってば! 怒ってたなら謝るから! 離婚なんて言うなよ」「あのさ、もし家事のことも不満だったなら……俺、今からでもやるよ。やり方わかんないことも多いけど、ちゃんと覚えるから……」と夫。

 

「あなたには、私のほかに想い合っている人がいるんじゃないの? ……たとえば、この間一緒に出張に行った後輩さんとか」とかまをかけると、さらに夫は目を大きく見開きました。

 

「たしかに、後輩と一緒に出張に行ったけど、まさか俺らの仲を疑ってるのか? ただの先輩後輩だって!」「仲良くはしてるけど、そういう関係じゃないって!」と早口でまくしたてた夫。

 

私は無言で夫の目をじーっと見つめて言いました。「さっき届いたメッセージ、ハートマークたっぷりでラブラブって感じだったけど?」「そうそう、お義姉さんがあなたの出張中、あなたたちを見たらしいわよ」

 

私の言葉に、夫は一瞬フリーズしました。私は追い打ちをかけるように言いました。「さっきのメッセージもそうだけど……最近、あなたが車でどこに行ってたのか、ずっと気になってたの。ドラレコって、覚えてる? あれ、ずっと録画されてるのよ」

 

その瞬間、夫は青ざめました。そして夫はようやく観念したのか、自白し始めました。

 

 

「……後輩は、ノリっていうか……本気じゃなかったんだ。ほんとにただの遊びだったんだよ」

「それ、本気で言ってるの? 結婚してる人が、“遊び”でそんなことするの?」

私の目をまともに見られない夫。

「……でも、離婚はやめよう。ほんと、それだけは……頼む」

「どうして?」

私が問い詰めると、夫はしばらく押し黙ったあと、ようやく口を開きました。

 

「……実家にも、会社にも、バレたらまずいんだよ。浮気が原因で離婚とか、親に知られたら……会社でも立場なくすかもしれないし……周りにどう思われるか……」

 

私はその言葉を聞いて、心底冷めきってしまいました。「つまり、私のことより、世間体や評判が大事だったのね」と私が言うと、「違う、そういう意味じゃない。ちょっと待ってくれ」と慌てて否定する夫。

 

「じゃあ、なんで今まで何度も“別れたほうがいい”って冗談のように言ってきたの? 本気で離婚になったら困るのに?」そう詰め寄ると、「……あれは、その場のノリで……まさか本当にこうなるなんて思ってなくて」とか細い声で夫は答えました。

 

「あなたは、いつも“本気じゃない”で逃げてきた。でも、私は本気で傷ついてたの。もう、あなたにこれ以上私の人生を振り回されるのはたくさん」

 

 

「後輩とは別れるし、なんだったら部署異動の希望も出す! だから頼む、離婚だけは勘弁してくれ」と夫は床に額をこすりつける勢いで頼み込んできました。

 

「……今の話を聞いて、私があなたとやり直すとでも思った? あとは弁護士を通して連絡するわ。私は荷物をまとめて出て行くから、じゃあね」

 

手早く自分の荷物をまとめ、私はその家を出ました。夫は最後まで追い縋ってきましたが、私はその手を振りほどき、玄関を出たのです。実家のほうへ向かう電車に乗ったとき、ようやく涙が出てきました。

 

ここで夫の謝罪を受け入れたらやり直せるんじゃないか……と、何度も思いました。でも、その度に「何度裏切られたら気づけるの? 私は本当にそれで幸せなの?」と自問自答して、離婚の決意を固めました。

 

その後――。

 

 

ほどなくして私たちは離婚しました。浮気はやはり事実だったようで、慰謝料は私の希望額を一括で支払ってもらいました。今は浮気相手のほうにも、弁護士を通して慰謝料を請求をしています。

 

元義姉には対面ですべてを伝え、「あのとき知らせてくれてありがとうございました」とお礼を伝えました。元義姉は複雑そうな顔をしていましたが、「弟が本当にごめんなさい。どうか幸せになってね」と最後は笑顔で言ってくれました。

 

実家で在宅の仕事を続けている私のもとには、時折元夫から「自炊してるけど慣れなくて……」「誰かに頼れるってありがたいことだったんだな……」と弱音を吐くようなメッセージが届きます。

 

しかし、私は一切返信していません。元夫がいないほうが、私は穏やかな生活を送れることを知ったからです。元夫の冗談を我慢し続けていたあのころ、私の心は休まりませんでした。元夫から離れて、ようやく私は私らしさを取り戻しつつあるように思います。

 

【取材時期:2025年4月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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