元カノの結婚式に出席したら…
元カノは学生時代の同級生です。友人を通じて、僕が結婚したことを知ったらしく、自身の結婚式に僕たち夫婦を招待してくれました。式場で顔を合わせた同級生たちも、パートナーと一緒に招待されたという人が多く、僕たちのように夫婦や恋人同士で来ていた人も。そのため、招待客はとても多く、挙式、披露宴共にとても豪華でした。本人たちがこだわったのだろうということが伝わってきて、僕たち夫婦も楽しませてもらいました。
そして披露宴後の新郎新婦からのお見送りの場で、改めて僕たち夫婦があいさつをしたときです。
新郎……元カノの夫が、僕を見て「ああ、妻からきみのことは聞いています。たしか、高校卒業後、大学へは行かずに働き始めたとか」とひと言。
たしかに、僕は大学には行っていません。それは専門的な仕事をしたく、現場で学びたい気持ちがあったから。嫌味のようにも聞こえ、僕はちょっと戸惑ってしまいました。
すると、元カノは夫のことを「某最難関大学の法学部出身」「主席卒業」であると誇らしげに言いました。そして、「お金に不自由なく暮らしたいから、結婚相手はエリートじゃないとね」と笑って……。
なんだか蔑まれたようにも感じ複雑な心境でいると、横にいた妻が口を開きました。
妻と、元カノの夫は…同じ大学出身?
「奇遇ですね。私も●●大学の法学部だったんです」。
妻は、元カノの夫が卒業したと言った大学出身。そして同じく法学部を出ており、今は僕が務めている会社で法務を担当しています。
妻は続けて元カノの夫に尋ねました。
「山田先生(仮名)って覚えてますか? 話が長くて、締め切りに厳しい先生」
「あ~……いたいた。めちゃくちゃ嫌われてた」
すると妻は彼の反応を見て、呆れたように「そんな先生……いませんよ」。
年齢も変わらず、同じ大学の同じ学部出身で主席卒業と言っているのに、妻は元カノの夫の名前も存在も知らず、「何かおかしい」と思ったようです。そのため、元カノの夫を試す質問をしたよう。実際には、山田先生(仮名)という方はおらず、彼の反応で、「某最難関大学の法学部出身」「主席卒業」というのが嘘だと見抜いたそうです。
元カノが少々ムキになった様子で「彼は大学でも人気者で、実際に友人からも頼られていた。今日の結婚式も、大学の友人を呼んだと聞いている」と言うと、妻が「それだけ目立つ存在だったら、私も知っているはず。でも知らないですし、新郎のご友人にも、知っている人はひとりもいませんでした」とピシャリ。
その間、元カノの夫は気まずそうにただただ下を向いていました。
このやりとりに時間がかかってしまったこともあり、僕たちはその場を切り上げることにしました。元カノは納得いっていない表情でしたが「今日はお招きいただきありがとうございました」と一礼をして、その場から失礼することにしました。
泣きつく元カノに毅然とした態度で
後日……。なんと元カノから電話がかかってきました。元カノが言うには、やはり、元カノの夫が「某最難関大学の法学部出身」「主席卒業」というのは、嘘だったということがわかったとのこと。実際はこの大学を受験したものの、不合格で入学することができなかったそう。彼は見栄を張って言ってしまったようでした。
元カノもなぜ結婚するまで気づかなかったのか……と思ったものの、元カノの夫は、本当の某最難関大学の法学部の方たちの集合写真に、自分の写真を合成して元カノに見せ、信じさせていたようです。
すると元カノから衝撃のひと言が。「結局エリートじゃなかったし、お金も持ってなかったからもう離婚する。誰か紹介してくれない?」と。
嘘をつかれていたのはたしかにショックだったと思います。けれど、元カノも見ているのは、結局、相手の学歴やお金だけ。見栄を張りたいという気持ちは、元カノも、元カノの夫も似た者同士ではありませんか。
彼女のような生き方を否定するつもりはありませんが、僕の友人などを紹介したいとは思えませんでした。そのことを伝え、「もう連絡はしてこないでほしい」と言うと、「私のこと、かわいそうだと思わないの!?」と怒った様子でしたが、「もういい」と一方的に電話を切られてしまいました。
嘘はどこかで絶対にばれるもの。肩書きや見栄ではなく、目の前の相手とどう向き合えるか――結婚生活に必要なのは、きっとその姿勢なのだと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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