ある日、彼女たちから合コンに誘われました。「引き立て役として来てね♪」と、ひどい発言をされ、断りたかったのですが、行かないと仕事の邪魔をすると言われ、しぶしぶ参加することに……。
無理やり参加させられた合コンで…
迎えた合コン当日、相手の男性陣と合流すると、彼女たちは笑顔でアピール開始。男性陣も盛り上がり、「2人とも美人だね~」と、彼女たちを賞賛します。そんな中、ひとりの男性が私のことを見て、ポツリと呟きました。「そっちのメガネの子は、なんていうか……2人とは系統違うね?」その言葉を聞いて、彼女たちは私のことを見てニヤニヤと笑っていました。
この場に来たことをひどく後悔しましたが、せっかくお金を払っているので、料理とお酒だけは楽しもうと思い、私は黙々と食べて飲んで……。
私を無視して合コンが盛り上がっていると、「すみません、遅くなりました」と言いながら、思わず息をのむほどのイケメンが現れました。彼が席に着くや否や、彼女たちは目の色を変えて、猛アプローチ!
しかし、他の男性陣と違い、なんだか困ったような表情を浮かべる彼。もしかして、彼も無理やり参加させられたのかな……そんなことを考えていると、彼がじっと私を見つめ、私に話しかけてきたのです。
「ねぇ、今日はどうしてメガネをかけているの?」突然の質問に、私は固まってしまいました。私がメガネをかけているのは仕事の日だけなのですが、どうして初対面の彼が、そんなことを聞いてくるのだろうと私は不思議でした。
昔から、黙っていると『感じが悪い』『キツそう』と誤解されやすい顔立ちで、そのせいで嫌な思いをすることも多かった私。そのため、社外の人と接することも多い職場では、相手に不本意に壁を作ってしまわないよう、あえてメガネをかけています。地味な服を着ているのも悪目立ちして、敵を作りたくないから。メガネをかけて、シンプルな服を着ていると、キツい印象が和らぐので仕事の日は、いつもそうしています。
本当はメイクもおしゃれも大好きで、プライベートでは好きなメイクに、好きな服、メガネもかけず、おしゃれを楽しんでいますが、そんな私の素顔を知っているのは、家族や仲のいい友人くらいです。
どこかで会ったことがあるのだろうかと思いながら、彼の顔をよく見てみると、なんだか見覚えがあるような気が……。
偶然の再会で、大逆転!
「前に、あなたに助けてもらったことがあるんだけど、覚えていないかな?」
彼の言葉を聞いて、私はすべてを思い出しました。数ヵ月前、行きつけのバーで偶然にも泥酔した彼と出くわし、介抱したことがあったのです。まさか、こんな場所で再会するとは、思ってもみませんでした。
「あのときは本当にありがとう。ずっとあなたにお礼がしたくて、あのバーに通うようになったんだ。でも会えなくて。よかったら、2人で行かない?」彼の誘いに動揺してしまい、「え、あ、はい」と思わず返事をした私。すると、彼はさっと立ち上がり、「ごめん、俺たち抜けるわ」とだけ言って、私の手を引き、その場を後にしました。
そして店を出ると、彼は少し申し訳なさそうに、「ごめん、強引だったよね。でも、あの場にいるの、つらそうだったから。無理に連れ出してごめんね」と、私の気持ちをすべてお見通しであるかのような、やさしい言葉をかけてくれました。私は彼が気を遣って連れ出してくれたことに感謝を伝え、彼と一緒にバーに行くことに。
バーに着いてからは、彼といろいろな話をしました。私があえて地味な格好をしている理由や、同僚との関係に悩んでいること、そして合コンに無理やり参加させられたこと……。彼は真剣に私の話を聞いてくれました。
大逆転から私にはさらなる幸せが!
私たちは連絡先を交換し、少しずつ交流を深め、正式にお付き合いを開始。彼との交際を機に、私は職場でメガネをかけるのをやめました。これ以上、同僚に見下されるのが嫌だったのと、なによりも彼が「そのままの君でいればいいよ」と言ってくれたので、ありのままの自分で過ごす決心がついたのです。
同僚の2人は、私と彼が付き合っていることを知って、とても悔しそうな様子でした。しばらく嫌みを言われる日々が続きましたが、彼女たちの私に対するひどい対応がエスカレートしたことで、社内で問題視され厳重注意となり、嫌がらせもなくなりました。
一方、私と彼は仲良く交際を続けており、出会いのきっかけとなったバーにも、頻繁に2人で通っています。最近プロポーズもしてもらって、もうすぐ結婚します。これからも、自分らしくありのままで過ごしていこうと思います。
◇ ◇ ◇
見た目だけで人を判断するのは簡単ですが、それでは本当の魅力は見えてきません。外見にとらわれず、相手の内面と向き合う姿勢こそが、誠実な人間関係を育てる第一歩なのかもしれませんね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。