家事は女の仕事だろ
結婚初日、私は「これから一緒に暮らすんだし、家事やお金のこと、最初にちゃんと決めようね」と夫に提案しました。すると夫は笑顔で「家事は任せるわ。だって女の仕事だろ?」とサラッと言ったのです。予想外の反応に私は絶句しました……。
付き合っているときは、一緒に料理を作ってくれたり「手伝うよ」なんて言ってくれた夫が、 結婚した途端まるで別人みたいな言葉を吐くなんて! さらに夫は追い打ちをかけるように「生活費は折半な!お前も働いてるんだし、当然だよな!」と言い放ったのです! 私が「お互い働いてるんだから協力しようよ」と言うと信じられない返答が……。
夫はきょとんとした顔で「俺の母さんは全部ひとりでやってたし! 当然だろ?」とひと言。私は「いや、お義母さん専業主婦だし……」と出かかった言葉をぐっと飲み込みました。新婚早々、理想と現実のギャップに頭を抱えることになったのです。
私からの提案「家事は料金制にしよう」
数日後、仕事帰りにスーパーで食材を買って料理を作り、洗濯物をたたみ、掃除もして……。家のことは私がすべてやっていたのですが、さすがにおかしいと思い「ねえ、あなたも少しは手伝ってよ?」と声をかけました。すると夫は、テレビから目も離さずに「はぁ? 家事は任せるって言っただろ!?」とひと言。
このままではダメだと思い、私は意を決し「生活費も折半なのに、家事も全部やるなんてフェアじゃない!だから“家事は料金制”にしよう!私が食事を作ったら1食500円、掃除をしたら800円をあなたに請求するね!逆にあなたが洗濯や料理をしてくれたら、私があなたにお金を払う!お互いに払い合う仕組みなら不公平じゃないでしょ?」と笑顔で提案しました。
夫は「おもしろいな、それ!やれることはやるよ」と同意。しかし、現実は違いました。夫は「疲れてる」「それは女の仕事」「男にできるわけない」と言い訳を繰り返し……。結局、家事はほとんど私が担当し、夫から“料金”を受け取る日々が続きました。私は夫からもらった小銭でコンビニスイーツを買い、「私が思ってた新婚生活じゃない……」と複雑な気持ちになっていました。 本当はこの料金制の提案で、少しでも彼が改心してくれると思ったのに…。
夫の“言いふらし”と転落
ある日の夕食後、夫が突然「夫婦なのに金を取るなんておかしいだろ!」と激怒!続けて「俺は仕事で疲れてるんだぞ!愛があればお金なんて取らないはずだろ!?」と言い放ったのです。私は「じゃあ、私が家事を全部やるなら、あなたは生活費を全部払ってくれるの? 愛があれば当然よね?」と問いかけました。夫は「女なんだから文句言わず全部やれよ!」と逆ギレ!その瞬間、私の中で何かがぷつんと切れ……無言で荷物をまとめました。夫は「知らないからな……?」と捨て台詞を吐いて自分の部屋へ逃げるのでした。
翌日、出社すると「うちの嫁さ……俺がご飯食べるたびに“はい500円”って請求してくるんだ!掃除したら“800円ね”って請求してくるんだ!夫婦なのにおかしいだろ?」と同僚に不満をぶちまける夫の姿が。しかし、同僚の反応は「共働きで生活費は折半してるの!?それなのに家事は全部奥さんに押し付けてるんでしょ?それなら請求されてもおかしくないじゃん!」とピシャリ!
味方になってくれると思っていた同僚から逆にたしなめられ、ムキになった夫が言い返し口論に。その日を境に夫は社内で徐々に浮いた存在になってしまい、最終的に自ら退職を申し出たのです。こうして私たちの関係は破綻し、離婚が成立。その後、私は穏やかな日々を取り戻し平和に過ごしています。
◇ ◇ ◇
結婚すれば、相手の新しい一面が見えてくることはあります。見えてきた一面が「思いやりのない言葉」や「価値観の押し付け」だったら……。その違和感をごまかさず、ちゃんと向き合うことが、自分を守る第一歩なのかもしれません。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。