教えてくれたのは、青果のプロ「小林青果株式会社」
福岡で創業74年、青果の生産者と小売店舗のバイヤーの間をつなぐ「仲卸(なかおろし)」の事業を展開している小林青果株式会社。
九州各県はもちろん、全国各地から旬の食材や特性の強い商品を仕入れ、お客様へお届け。ここ数年で小売店舗も9店舗まで展開し、公式インスタグラムやnoteで、野菜の豆知識や生産者さんのイベント情報などを発信。
安全で安心できる食品だけでなく、作り手の思いや熱量、消費者の期待、販売店の信頼、すべての人の笑顔と心をつなげられるよう活動中。
ECサイト「うまうまもぐもぐ」では、新鮮で美味しい野菜やフルーツをオンラインで購入できます!
美味しい桃の見極めポイント
桃の味は、収穫前10日間の天候によって大きく左右されます。晴天が続くと糖度は上がりますが、雨が続くと糖度は上がりにくくなります。
おいしい桃の糖度の目安は糖度13度以上です。
近年選果機の機能が発達し、光センサーで糖度を検査してその産地独特の規格でブランド化がすすめられています。
果実の売り場で糖度表示して販売するところも増えてきています。売り場で13度以上の表示がある桃は間違いなく美味しいです。
桃は当たりはずれが多い果物の一つですが、糖度表示のおかげではずれを引くことが少なくなってきました。ただ糖度保証の桃は価格が高いです。
ここでは糖度表示のない売り場でできるだけ美味しい桃を選ぶポイントをいくつか紹介します。
美味しい桃を見極めるポイント
①そばかすのような白い斑点がある
この白いつぶつぶの斑点は果点と呼ばれ、一見傷のように見えますが、実は甘い桃の目印です。
桃が日光をたくさん浴びて栄養が行きわたることで実が熟し、糖度が上がってきます。
すると果皮に小さな亀裂が入り、果点が現れます。この果点が表皮全体に広がっていれば、さらに甘さが増している証となります。
②左右対称でふっくらときれいな丸みがある
美味しい桃は割れ目で左右対称で同じように膨らんでいます。
左右が対称でなく、どちらかが膨らんでいる場合は、膨らんでいるほうが糖度が高く、膨らんでいないほうは糖度が低いです。
それから桃が縦ではなく横に膨らんでいることが重要です。
食物ホルモンのオーキシンが活性化すると、桃は横に膨らみ、糖度も上がります。縦に膨らみ、先がとがった桃は糖度が低い傾向にあります。
③いかにも甘そうないい香りがする
美味しい桃はとてもいい香りがします。さわやかな甘い香りは桃がしっかり熟している証拠です。
この3つのポイントを押さえれば、美味しい桃に当たる確率はかなり高くなります。長年の経験上、色の濃淡はあまり関係ないように思います。
色は薄めでも3つの条件で選べば美味しい桃に巡り合えることは何回もありました。
「美味しくない桃」を見分けるポイント
【NG桃①】軸周辺の果皮に「緑色」が残っている
軸周辺の果皮に緑色が残っている桃は、熟度が不十分で、渋みが残っている可能性があります。
【NG桃②】果形が縦長で先がとがっている
肥料をやり過ぎると桃が縦に肥大する傾向があります。縦長で先がとがっている桃は、糖度が低い傾向にあるので、丸い桃を買うのが◎。
おまけ:収穫前に雨がたくさん降ると、糖度は落ちる
スーパーで見極めるのは難しいですが、小話を......。
収穫前に雨が降ると、桃の糖度は2度くらい下がることがあります。
甘さを堪能できる食べ方
桃は部位によっても糖度が変わります。
お尻側(軸側)は糖度が低めで、ヘタの反対側(果頂部付近)の方が糖度が高い傾向があります。また、種の周りよりも果皮に近い部分の方が甘みが強いです。
桃を食べるとき冷やしすぎないようにしてください。冷やしすぎると甘さを感じにくくなります。
食べる前に1時間ほど冷蔵庫に入れると、ちょうどよい温度になります。
まとめ
今回は、青果のプロ・小林青果さんに「美味しい桃の見極めポイント」を教えてもらいました。
このポイントさえ押さえておけば、美味しい桃に当たる確率は格段に上がります。
「思ってたんと違う……」と夢から現実に引き戻されないためにも、桃選びのスキルを磨いておきましょう!