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夫「入籍日は仕事で休めない!」義母「高級和牛、食べた?」新婚2日目、義母のひと言でバレた夫の裏の顔

地元で有名な老舗和菓子店の社員として働いていた私。早くに夫を亡くし、女手ひとつで会社と息子を育て上げてきた社長にずっと尊敬の念を抱いていました。そんな社長からすすめられて、私はご子息とお見合いをすることになったのです……。

お見合い後、とんとん拍子に話は進み、私たちは結婚することになりました。社長である義母も大変喜んでくれました。

 

しかし、夫は「ごめん……仕事の都合で休みが取れなくて。婚姻届、ひとりで出してきてもらえるかな?」と言って、入籍日も朝早くから出かけていってしまい……?

 

新婚夫婦の温度差

その日の夜遅く――。

 

日付が変わってからようやく帰ってきた夫に、「婚姻届、ちゃんと出してきたよ! これで晴れて夫婦だね!」と言った私。

 

「ひとりで行かせちゃってごめんね。どうしても休めなくってさ……」「仕事を辞めてもらったし、これからは俺がもっともっと稼いでいかないといけないからさ」と言った夫。私は申し訳なさそうな夫に「大丈夫だよ」と答えました。地元で人気の老舗和菓子店の跡取りである夫が、忙しいのは当然だと思っていたのです。

 

「無事入籍したし、次は結婚式だよね……。忙しいだろうけど、式の準備は手伝ってほしいな。あなたのおうちのお付き合いとか、格式とかもあるだろうし……」と言うと、「うーん」と言ってしばらく考え込んだ夫。

 

「……挙式費用は全部出すから、そういうの全部やってもらってもいいかな? 俺、そういうの苦手で……。仕事もあるしさ」「結婚式って主役は女性だろ? 俺があんまり出しゃばるのもなぁ……。母さんもなにかあったら力になってくれるって言ってたし、大丈夫! お前ならひとりでもちゃんとできるよ!」

 

婚姻届の提出だけでなく、結婚式の準備まで私がひとりきりでしなければならないなんて……。私ひとりのための結婚式じゃなくて、私たち2人の結婚式なのに……と、なんだか寂しくなった私。

 

昔から結婚式に夢を見ていたこともあり、私は出鼻をくじかれた思いでした。しかし、すぐに「この人は忙しい人だから仕方ない。私が妻としてしっかり支えていかなければ!」と思い直したのでした。

 

 

 

翌日――。

 

昨日、義母から結婚祝いとして高級な牛肉をもらっていた私。お礼の連絡をすると、「うちの息子もお肉大好きだし、あなたも好きだって言ってたから奮発しちゃった! 昨日のうちに食べてくれた?」と義母。

 

「実は、昨日はお祝いできなくて……」と言って、私は昨日の夫の様子を話しました。すると、「え? おかしいわね……!?」と戸惑ったような声で義母が言ってきたのです。

 

「昨日は『せっかくの入籍日だから』って、息子は休みを取っていたはずよ!?」

 

思わず息をのんだ私。「……今日も、仕事だからって朝早くから出かけてます。今日は、お仕事ですよね?」と問いかけると、「……今日も、休みだったはずよ。今週いっぱいは新婚生活を満喫するって言ってたから……」と義母。

 

しかし、私は家にひとりぼっち。まさか、私以外の誰かと……と嫌な想像が膨らみ、私は頭をぶんぶんと振りました。

 

「……えっと、ほかに息子のことで困ってることはないかしら?」と気まずそうに聞いてきた義母に、私は結婚式の話をすることに。

 

「『費用は出すから、結婚式は全部私の好きにしていい』って言われたんですけど……。立場的なものもありますし、私がすべて決めてしまっていいのかとても不安で……」

 

義母は大きくため息をつき、「まさか、新婚2日目でこんなことになってるなんて……」「私には『結婚式のことは2人で話し合って進めるから母さんは安心して!』って言ってたのに……」と嘆いていました。

 

「で、でも……私が専業主婦になったこともあって、夫は今まで以上に仕事を頑張りたいって言ってくれてたので……」「ただ、ご親戚の方々やお仕事関係の方の席次などはわからないことが多いので、お義母さんに手伝ってもらえたら……と思いまして」

 

「あのね」と、夫をかばう私をたしなめるように言った義母。

 

「あなたはうちで働いてくれてたから耳にタコができるくらい聞いているとは思うけど……和菓子は見た目も、味も、お客さんを笑顔にするためのものなの」「和菓子は人を笑顔にするものよ。そんな仕事をする人間が、一番身近な人を悲しませるなんて、本来あってはならないの。一番近くにいる人を幸せにできない人に、おいしい和菓子は作れません」

 

そして、義母は「結婚式のことはしっかり私がサポートするから安心して」「私のほうでも息子のことを探ってみるわ。もしまたなにかあったら、遠慮せずにすぐに連絡してちょうだいね」と言ってくれたのでした。

結婚式終わりの別居宣言

そして、結婚式当日――。

 

義母のサポートもあり、無事に式を終えられた私たち。

 

先に着替えを終えた夫は、「とってもいい式になった! 母さんもめっちゃ喜んでくれたよ。お前のおかげだよ、ありがとう!」と電話をくれました。そのときまでは、私はたしかに幸せを感じていたのです。

 

しかし、続く夫の言葉に私は耳を疑いました。

 

「式も終わったし……正直に言うけど、これからは別々に暮らしたい」

 

「……ど、どうして?」と聞くと、「いや、そういうんじゃないんだ……俺は跡取りとして、もっともっと仕事に打ち込まなきゃいけない。結婚してあらためて家庭を持つ責任の重さを感じたんだ。だから、しばらくは別居しよう」と夫。

 

私は夫を支えるために、結婚と同時に仕事を辞めたのに……。これでは、なんのために嫁いだのか意味がわかりません。

 

「別居中は困らないぐらいの生活費は送金するからさ!」「俺のおかげでラクな生活ができるんだし、感謝してくれよ」

 

そう息巻く夫に「じゃあ慰謝料もよろしく」と言いました。

 

 

 

すると、「え? な……なんのことだよ?」としらを切ろうとした夫。ですが、声から焦りが滲み出ていました。

 

「浮気相手の彼女とは、ずいぶん長いみたいね……入籍日から1週間は、彼女と一緒にいたんでしょう?」「私には仕事だってうそをついて、結婚式の準備も丸投げして、浮気デートなんてね。……で、今度は本妻と別居して、浮気相手と同棲するってわけ?」

 

浮気相手は、本社でアルバイトしていた女性でした。私も働いていたときに、何度か話をしたことがありました。彼女のSNSをたまたま見つけて投稿を見てみると……そこには夫とのにおわせ写真が大量に上がっていたのです。……探偵を頼むまでもありませんでした。

 

「それでも、結婚式が終わったら私だけを見てくれると思ってたのに……。本当に好きなのは彼女のほうだったのね。じゃあなんで私と結婚したの?」と聞くと、夫は黙り込んでしまいました。彼女は20歳、夫は30代後半だったので、おそらく世間体を気にして、彼女との結婚は諦めたのでしょう。

 

「ねぇ……」と私がもう一度話しかけようとすると、「……あーもう、慰謝料払えばいいんだろ!」と逆ギレしてきた夫。

 

「公認で浮気できるなら、慰謝料くらい安いもんだ!」と開き直った夫に、「……二言はないわね? あと、お義母さんにもこのことはしっかり報告させてもらいますから」と言った私。

 

「ちょっと待て! 母さんには絶対言うな! 慰謝料倍額払うから!」とお金で黙らせようとしてきた夫に、私はあきれてしまいました。

 

「お義母さんがつないでくれた縁がこんなことになってしまって残念だけど……だからこそ、お義母さんには伝えなきゃいけないと思うの」「報告は私からしておくから、あなたは早めにお金の用意をお願いね」と言って、私は電話を切りました。

 

真実を知った義母の判断と浮気男の末路

その日の夜――。

 

私は宣言通り、義母にすべてを打ち明けました。義母は「ま、まさかまだあの子とつながってたの!?」と驚いていました。そして義母は、「あなたには話してなかったわね……ごめんなさい」と言って、浮気相手の彼女のことを教えてくれたのです。

 

「実は1年前……息子が『結婚したい人がいる』って言って、彼女をうちに連れてきたの」「彼女の社内の勤務態度を調べてみたら、それはそれはひどいもので……しかも、ほかの男性にも色目を使っているようだったから、考え直すように息子を説得したのよ」「そしたら、その1カ月後くらいに『別れた』って言ってたから、一安心してたんだけど……」

 

義母は続けて、「あのとき、あんなにあっさり別れたことに違和感をおぼえたのよね。そのときにしっかり確認すべきだったわ……」と後悔を口にしました。

 

義母の言葉を聞いて、私はハッとしました。彼が私との結婚を決めたのは、愛情ではなく、世間体や跡取りとしての立場を守るためだったのかもしれません。本当に好きだったのはあの若い彼女。でも彼女とは結婚できないから、親に認められて、会社にも悪影響がない「無難な相手」として私を選んだ――今までのことが一気に腑に落ちたような気がしました。


お見合いから結婚まであまりに早く進んだことも、私が深く考えず流されてしまった結果。自分の浅はかさを思い知らされ、正直、苦しくてたまりませんでした。

 

「さすがに、私もいきなりの別居宣言でびっくりしてしまって……。でも、浮気していたならつじつまが合うなって思ったので、今は納得しています」と言うと、「……あの馬鹿息子と別居婚を続けるつもり? 私が言うのもなんだけど……離婚してもいいのよ?」と義母。

 

離婚を考えなかったわけではありません。しかし、今すぐ離婚すれば和菓子店の名前にも傷がつくかもしれません。私はここまで良くしてくれる義母に、そしてお世話になった会社に、迷惑をかけたくなかったのです。

 

「まぁ……! でも、私や会社のためにあなたが犠牲になる必要はないわ。……そうだわ、よかったらまた会社のほうを手伝ってくれない?」「だからね、あなたは好きなように選んでいいのよ。別居婚を続けてもいいし、離婚してもいい。たとえうちの会社に戻ってきてくれなくても、私はあなたの居場所を守るから」

 

そう言ってくれた義母の気持ちに私は感動しました。そして、仕事復帰と離婚を決断したのです。

 

 

 

翌日――。

 

「母さんに余計なこと言っただろ! お前のせいで跡取りの座もなくなったし、おまけにクビになった! どうしてくれるんだ!」と夫から電話がかかってきました。

 

「そんなこと私に言われても……何事も報連相は大事だからね」と冷静に返すと、「ちくしょう……!」と夫。

 

「……こうなったら俺、お前と離婚して彼女と結婚する! もう実家にも親にも縛られなくていいんだ!」と開き直った夫に、「彼女と結婚? それは無理かもねぇ」と私は言いました。

 

「慰謝料を支払ってもらえれば私は離婚するけど……彼女、旦那さんいるらしいし」「かなりの歳の差もあるじゃない? 今の状況で、彼女が旦那さんよりあなたを選んでくれると思う?」

 

「彼女が既婚者!? ……うそだろ……」と冷水を浴びせられたように大人しくなってしまった夫。「離婚届に署名して返送してね。婚姻届と同じように私がひとりで役所に提出するから」と言ったのですが、夫はずっと無言のままでした。

 

その後――。

 

 

わずか数週間の結婚生活に終止符を打った私たち。元夫は「跡取りじゃなくなったならいらない」と浮気相手に振られたらしい、と元義母から聞きました。ちなみに、元夫は浮気相手の旦那さんからも慰謝料を請求されているそうです。

 

仕事復帰した私のために、元義母が用意してくれたのはなんと役員席。もともと経営に携わりたかったこともあり、今は元義母について一生懸命知識を吸収しています。事情を知っている人たちも多いですが、みんなあたたかく迎え入れてくれました。恩返しするためにも、早く仕事を覚えて会社に人一倍貢献できるようになろうと思っています。

 

今になって思うと、お見合いからとんとん拍子で結婚したこと自体が、私の浅はかさだったのかもしれません。もっと相手を知る時間を持っていたら、違う未来があったのかも……と考えることもあります。

 

でも、今回の失敗があったからこそ「信頼のない結婚は続かない」と身をもって学ぶことができました。これからは、焦らず、誠実に向き合える人間関係を築いていきたいと思います。傷ついた分だけ強くなれたと信じて、私は新しい人生を進んでいきます。

 

【取材時期:2025年7月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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