「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、赤ちゃんの吐き戻しに関するご相談です。
Q. ゲップを何度も出させていても吐き戻します
わが子は生後2カ月で、完全母乳です。授乳後すぐに吐き戻すこともありますが、1時間から2時間くらいあとで吐くことが多々あります。ゲップを何度も出させていても吐き戻します。量はそんなに多くはありませんが、透明の液体に白い固まりがあったり、水分が少なく白いつぶつぶの固まりのときもあります。鼻からも出るので、固まりが鼻に詰まってとても苦しそうです。
夜中から明け方に多いので、横向きに寝かせてはいますが、詰まったら……と思うと夜も眠れません。ゲップを出させていても吐く時は吐くのでしょうが、なぜ何時間も経ってから吐き戻すのでしょうか? 何か病気ではないかと心配です。
ゲップをよく出させたり、授乳の時間を減らしたり、授乳後は30分以上は縦抱きにしていますが、他に何か対策はありますか?
榎本美紀助産師からの回答
生後2カ月のお子さんですと、胃の入り口の筋肉が未熟だったり、胃がとっくりのようなまっすぐの形のために吐きやすい構造となっています。また、満腹中枢が未熟なので、お口が吸いたいだけ飲んで、胃の容量以上になると吐いて調整するといわれています。消化するときに胃液が分泌して混ざるので、時間が経ってから胃の容量オーバーになり吐いてしまうことや、構造上おなかの圧迫などで吐きやすいことがあります。透明の液体は胃液、白いツブツブは脂肪分が消化せずに出てくるものですので問題はありませんよ。
ゲップをしっかりさせても、上記の理由で吐いてしまうことは問題ないですよ。しかし、吐いてしまうと苦しそうでご心配ですよね。今試されている方法はとてもいい方法なので続けてみてくださいね。横向きに寝かせたり、上半身を高めにして寝かせれば吐いたものが詰まることはないので安心してくださいね。あとは、月齢が進んで成長を待つことが大切だと思います。
※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
吐きもどしたときに注意が必要なケースと対処法
母乳や育児用ミルクを飲んだ後によく吐きもどしてしまう赤ちゃんも少なくありませんが、吐きもどした後も機嫌がよく、体重の増えもよいようであれば経過をみてかまいません。
しかし、病気が潜んでいるときの吐きもどしは、治療が必要になります。
赤ちゃんが吐きもどしたときは、赤ちゃんの状態を確認するとともに、吐いたもの、吐きもどし方、吐いた回数に注意が必要です。
■吐きもどしたもので注意が必要な場合
赤ちゃんが吐きもどしたものの色によって、問題のある部位がどこか予測ができます。
・吐きもどしたものが黄褐色から緑色
十二指腸よりも先の通過障害の可能性があります。
・吐きもどしたものに血液が混じったもの
鮮血であれば食道からの出血が考えられます。また、お産の経過中にママの血液を飲んでしまったり、胃よりも先の部分から出血している場合には黒っぽい(コーヒー残渣様)ものを吐きます。
■吐きもどし方の特徴でわかる異常
赤ちゃんの吐きもどし方の特徴によっては下記の異常が考えられます。
・先天性食道閉鎖症・狭窄症
生まれてすぐのころから唾液を口と鼻からカニの泡のように出し、母乳や育児用ミルクを飲むとむせて口と鼻から母乳や育児用ミルクを噴出します。先天性食道閉鎖症の場合、緊急手術が必要です。
・肥厚性幽門狭窄症
生後2~3週ころから吐きもどしがみられ、徐々に「噴水状」になることが特徴です。薬剤による治療法と手術による治療法がありますが、病院によって方針が異なります。
・腸回転異常症・中腸軸捻転
それまで元気だった赤ちゃんが突然胆汁様のものを吐き戻すようになるのが特徴です。この病気が疑われた場合、緊急手術が必要です。
・新生児胃破裂
生後数日から1週間以内に発症することが多い病気です。母乳や育児用ミルクの飲みが悪く、吐きもどし、おなかの張り、呼吸困難、ぐったりして活気がないなどの症状があります。レントゲン検査での診断が可能で、緊急手術が必要になります。現在は非常にまれな病気です。
・ミルクアレルギー
ミルクアレルギーの場合も、吐きもどしやおなかの張り、血便などの症状が見られます。胆汁が混ざった嘔吐をすることもあり、緊急性のある疾患です。外科的な病気との区別が難しいことが多いので直ぐに受診が必要です。
吐きもどしたものによる窒息や誤嚥をすることはまれですが、呼吸が苦しそうなときは受診をしましょう。
また、赤ちゃんが何度もに吐き戻す場合は、
・赤ちゃんの機嫌
・赤ちゃんの体重の増え方
・おしっこの回数
・おしっこの色
・皮膚の張り
・唇や口の中の乾き
など、状態や状況を把握して受診しましょう。
受診の際は、吐物(とぶつ)を画像に残したり、吐きもどしたものをビニールに包んで見てもらうと状況が伝わりやすくなります。
※参考:基礎知識(ベビー)「赤ちゃんの吐きもどしの原因と予防法について」【監修者:医師 松井 潔 先生
小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長】
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