スカッとした瞬間
義父母は親戚同士なのに連絡して訪問するなんて水くさいと思っているようですが、私は迷惑で仕方がありませんでした。
その日も彼らが突然うちのチャイムを押したとき、私は長男に食事をさせ、次男に離乳食を食べさせつつ、もうすぐ帰宅する夫の夕食を作っている真っ最中でした。
慌てて玄関のドアを開けると、いつものようにリラックスした義父母の姿。私が「散らかっていて申し訳ないんですが、上がってください。事前にお電話いただければ、片付けておいたんですけど……」と言っても、2人は意に介さず。「子どもが2人もいれば、汚くても仕方ないわよ。あなたが悪いんじゃないわ」と言いました。
複雑な気持ちでいたところ、間髪入れずにツッコミを入れたのは長男でした。
「そうだよ、ママは悪くないよ。突然来るおじいちゃんとおばあちゃんが悪いんだよ」
長男の予期せぬひと言でしたが、スカッとした瞬間でした。とはいえ、義父母はきっと、私が子どもたちに、「おじいちゃんとおばあちゃんって、いつも突然来るから迷惑」と言っていると思われたかもと思うと、すぐに複雑な気持ちになりました。それでも、突然訪問するのはやめてほしいので、息子が言ってくれてよかったと思っています。でも、それ以降も義父母は連絡なしに来ることを決して止めませんでした。
義父母との距離に悩みながら、必死に過ごしていたあのころ。子どもたちもその後大きくなりましたが、あの日、長男が放ったひと言には、幼いながらも家族を思うやさしさがあったのだと、今ならわかります。思い返すと、あの小さなツッコミひとつに、私はどれだけ救われていたことか。今ではすっかり笑い話として語れるようになったのも、時が経ったおかげです。
著者:白川チル/50代女性/2人の男の子を育てた母親す。長男は結婚・独立し、現在夫と次男と3人暮らし。
イラスト:きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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