ドリンクバーをシェアしたいママ友…
息子が4歳のころのことです。習い事の帰り道、同じ教室に通う同い年のAくん親子と一緒にファミレスでランチをすることに。お店に入りそれぞれ注文を考えていると、Aくんママが「息子くんドリンクバー頼む?」と声をかけてきました。せっかくの機会なので、「うん、じゃあ頼もうかな」と私が返すと、「A、よかったね~!」となぜかAくんと喜ぶAくんママ。少し違和感を覚えつつも、「いっしょにジュースが飲めることを喜んでいるのかも」と思いスルーしました。
Aくんママがタッチパネルでドリンクバーを2つ注文しているのを見て、「子ども2人分かな」と思った私は「せっかくだし、大人も頼もうよ。ごはんのあとにコーヒーでも飲もう」と声をかけてみました。すると、Aくんママは「あ、あなたの分も頼んであるよ!」と言います。不思議に思い、注文履歴を確認すると、タッチパネルにはドリンクバーが2つだけ。私を含めた大人2人+子ども2人では足りない数です。首をかしげていると「大丈夫! あなたたちが頼んだドリンクバーで私たちも飲むから! お互い好きなもの入れて、シェアすればいいじゃない」と言うAくんママ。
まさか、そんな非常識なことを本気で言っているのかと驚いてしまいました。席には「ドリンクバーのシェアお断り」という注意書きもあるので、私は「シェアってダメだったと思うんだけど……」と言うとAくんママは「バレないよ! 大丈夫!」と引きません。
すると息子が「ぼく、ドリンクバーいらない。お水飲みたい」と言ってくれました。よく見ると、設置されていたジュースには息子の好きな味がなかったようです。私としては、たかられるのが嫌で注文をやめたいと思っていたので内心ホッとしたのですが、そこでAくんママが突然「なんでそんな意地悪言うの!? そしたらAがジュース飲めないじゃない!」と怒り出しました。あまりの剣幕に、息子は驚いた様子で「ごめんなさい……」と謝ってしまいました。しかし怒られる理由などどこにもありません。
それでもAくんママは止まりません。「そんなケチで意地悪な子は、友だちいなくなるよ!」。その言葉には、私もさすがに堪忍袋の緒が切れそうになり、言い返そうとしたとき、店員さんがすっと近づいてきて、静かに、しかしはっきりと「お客様、当店のドリンクバーはご注文いただいた方のみご利用いただけます。他の方とのシェアはお控えいただいております」と言いました。どうやらAくんママの大きな声が厨房まで聞こえていたようで、状況を察して注意してくれたようでした。
その瞬間、今度はAくんが「ママ、ルールは守らないとダメだよ!」と、Aくんママをたしなめる始末です。自分の息子にも、店員さんにも注意され、Aくんママはようやくおとなしくなり、結局誰もドリンクバーは頼みませんでした。
ランチはなんとも気まずい雰囲気のまま終わりましたが、あのとき店員さんが声をかけてくれなければ、もっと嫌な思いをしていたかもしれません。その後、Aくんと息子は変わらず仲良くしていますが、Aくんママとはあいさつ程度で、あまり関わっていません。
常識やマナーについては、人によって考え方が多少違う部分もあるかもしれません。しかし、当たり前のマナーを大切にする姿勢は、大人がしっかり子どもに見せないといけないと感じた出来事でした。
著者:水沢ありか/30代・ライター。鉄道が好きな9歳の息子を育てるママ。休日は親子で電車を眺めに出かけて楽しんでいる。
作画:ひのっしー
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
【Amazonギフト券プレゼント♡】みなさまの体験談を募集しています!
妊娠中や子育て中のエピソードを大募集!「ベビーカレンダー」のニュース記事として配信、公開いたします。体験談を掲載させていただいた方の中から、抽選で毎月5名様に1000円分のAmazonギフト券をプレゼント。何度でも応募可能ですので、奮ってご応募ください♪どうぞよろしくお願いします!