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義父が他界「葬儀の準備は嫁の務めだ!」→私「面倒だから欠席で!」激怒されても断固拒否したワケは?

結婚以来、義実家とは波風を立てないよう努めてきた私。心から打ち解けることはありませんでしたが、盆や正月には顔を見せ、お中元やお歳暮を贈り……嫁としての務めは果たしてきたつもりでした。

そんなある日、義父が急逝したのです……。

義父の葬儀は欠席で!

入院生活が長かった義父。医師にも「あまり長くない」と言われていました。義母や夫もある程度覚悟はできていたらしいのですが、それでもショックは大きかったようです。

 

「葬儀は3日後に決まった、お前も手伝えよ」「喪服や香典返しの準備、親戚への連絡も全部任せたからな」と、夫は悲しみのなかにあってもどこか命令口調。私に葬儀の手伝いをするように言いました。

 

そんな夫への私の返事は「うーん、面倒だから欠席で!」。義父の葬儀に出るつもりもなければ、準備に手を貸すつもりはありません。

 

その言葉の裏には、かつて父の葬儀で味わった深い孤独と悲しみがありました。

 

よみがえる悲しい気持ち

幼いころに母を、そして数年前に父を亡くした私。父の葬儀では喪主を務めることになり、夫にも手伝いを頼みました。しかし、夫は「俺、葬式とか辛気臭くて苦手なんだよな……面倒だしお前ひとりでやれよ」と拒否したのです。

 

義母にも父の他界を伝えたのですが、「お経聞くだけで退屈なのよね……気持ちだけ出席するわ」と言い、夫も義両親も、誰ひとりとして父の葬儀には来てくれませんでした。

 

あのとき、私は悲しみに沈みながらも関係者への連絡や香典返しの手配まで、ひとりで済ませたのです。そのつらい記憶を思い出した私は、思わず「行かない」と夫に答えてしまったのでした。

 

夫は目を見開き、「お前、なに言ってんだ? 嫁が葬式に来ないなんて非常識だぞ!」と私を怒鳴りつけました。しかし私は、静かに「そのセリフ、そっくりそのままあなたに返すわ。……父の葬儀のとき、あなたはなにも手伝ってくれなかった。私もなんの役にも立たないと思うし、あなたひとりでやって」と返したのでした。

夫に欠席と伝えてから30分後、今度は義母から「親の葬儀に嫁が来ないなんて前代未聞よ! 家の恥になるようなまね、やめてくれる?」と連絡が。

 

予想していたとおりの連絡だったので、私は冷静に「お義母さんは、私の父の葬儀のときに"気持ちだけ"とおっしゃってましたよね。だから私も、今回は気持ちだけで……。葬儀への参列は遠慮させていただきます」と答えました。

 

義父の葬儀

義父の葬儀当日。義父が亡くなった日から義実家に泊まり込んでいる夫からは、何度も「葬儀には絶対来い!」とメッセージが来ていましたが、私は完全に無視を決め込んでいました。そして、本当に義父の葬儀に行かなかったのです。

 

案の定、怒った夫から「お前、本当に葬儀に来なかったな! どういうつもりだ!? ふざけんなよ!」と電話が。

 

結局、お葬式は不手際だらけ。叔父は激怒し、最後は義母がパニックになって泣き出したのだとか……。私は父の葬儀のとき、ひとりですべてを背負ってやり切りました。そのときは泣き言を言う相手も、怒りをぶつける相手もいませんでした。父が亡くなった当時のことを思い出して、私は胸が苦しくなったのです。

 

「お前が来なかったせいで大変なことになったんだぞ! 今からでも来い……来ないなら離婚も考えるからな!」と脅すように言った夫に、私は「じゃあ、離婚で」と答えました。実は、昨日のうちに離婚届をもらってきていた私。私の署名と捺印はすでに済んでいます。

 

「私ね、父の葬儀のときのあなたの態度を見て……ずっと前から離婚を考えてたの」と伝えると、さっきの勢いはどこへやら。「こんな形で離婚って……そんなの認めないからな! そんなの非常識すぎる!」と夫は慌てふためいていました。

 

「こんな非常識な嫁とはとっとと別れたほうがいいんじゃない?」と返すと、ついに夫は黙り込んでしまったのです。

 

「あなたがいなかった間に、私の荷物はすべて整理しました。離婚届はリビングのテーブルに置いてありますので、サインして提出してください」と言って、私は電話を切り、残りの荷物を持って意気揚々と家を出たのでした。

 

離婚してよかった!義母の電話

その後、離婚の話し合いの途中で、夫から聞いたことですが……見栄っ張りな義母は高級なプランで進めてしまったようで、葬儀代はかなりの高額になったそうです。さらに、義父の財産はすでに義母によってほとんど使われていたようで、夫の貯金から葬儀代を払ったのだとか……。

 

義母から「葬儀の準備をしなかった嫁のせいでこんなに高額な葬儀代になった! 迷惑料として葬儀代を払え!」という電話がかかってきたこともあり、私はあらためて離婚を決意してよかったと思ったのでした。

 

さんざん離婚を渋っていた夫ですが、弁護士を立てたことを伝えるとあっけないほどすんなりと離婚に同意してくれました。

 

今、私はひとりで穏やかに暮らしています。ひとつ心残りだったのは、夫や義母への仕返しとはいえ、義父を見送れなかったこと。本心では、一度は家族だった以上お葬式には参列したほうがよかったことはわかっています。

 

だからこそ、月命日には静かに手を合わせ、「どうか安らかに」と祈り続けています。嫁としてではなく、一人の人間として義父を敬うことが、私なりのけじめなのだと思います。

 

【取材時期:2025年7月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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