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夫「亡くなった両親の土地、5000万で売っておいた」→「え、まだ生きてるよ?」理解不能な夫の暴走

夫は人に影響されやすい性格です。でも明るくてノリがよく、少し抜けたところがあるけれどどこか憎めない人。固い性格の私にはないものをたくさん持っていて「この人となら、楽しい家庭が築けるかもしれない」と思い、結婚しました。

しかし結婚して数年、急に「別居したい」と夫からの申し出が……。理由を聞いて、私は耳を疑いました。そのきっかけは、あまりにも信じがたい出来事だったのです。

ここ数年、夫は「成功者になる」という夢を語るようになりました。そのために講演会に参加したり自己啓発本を読んだりしていたのです。

 

夫が別居を決めた直接のきっかけは、ある講演会でした。その中で話されていた「成功者になるためには、付き合う人を変える必要がある」という内容がささったよう。いわゆる“成功者”とは違う、あくまで一般人である私と過ごしていると成功できない、と真顔で言われたのです。

 

あまりにもバカらしい発言に、何を言われたのかすぐには理解できませんでした。しかし「俺とお前は生きていく世界が違う」と言われたとき、私は一気に力が抜けてしまったのです。

 

これ以上、言い争う気力も湧きませんでした。夫の言葉に反論しても、どうせ通じないとわかっていたからです。私は静かに、彼の言う通り別居を受け入れました。

「お金貸して!」そのワケは?

別居してすぐのこと、夫からマイホーム購入資金として貯めていたお金を使わせてほしいと相談されました。

 

起業家交流会で知り合った起業家から投資話を持ちかけられ、のめり込んでしまっているようですが、聞けば聞くほど怪しい話です。夫は、その先にある“成功した自分”に酔っているようでした。

 

しかし今は自己資金だけでは資金繰りがきつく、投資するつもりでお金を貸してほしいと懇願してきました。「これに投資すれば、数年で海外移住も夢じゃないらしいんだ」と、根拠のない自信を口にしていました。

 

もちろんマイホーム資金を渡すつもりなどありません。私はきっぱり断りました。

 

 

実家の土地を売った?

その1カ月後、再び夫から電話が入ります。渋々出てみると「お前の両親亡くなったんだって? 相続した実家の土地、買いたい人がいるって言われたから、進めておいたよ。5000万円になるらしいんだよ」と唐突に言われました。しかも、手配した分の手数料をよこせと言われ、もうびっくり。

 

しかし両親は元気で、私は何も相続していません。

 

夫にそれを伝えると、急に焦りだしました。話を聞くと、先日の投資話が諦めきれず、私の両親にまでお金の無心をしにいったそう。例の起業家も同行させて、一緒に説得するつもりでいたようです。

 

しかしインターフォンを押す前に、近所の人に声をかけられ、その家の住民が亡くなったことを知らされたようです。

 

そこでピンと来たのは、先日亡くなった実家のお隣さんのこと。私の実家は似たような家が連なって建っているエリアで、偶然にもお隣さんは同じ名字です。少し抜けたところのある夫のことなので、実家の場所を間違えたことは容易に想像がつきます。

 

しかし、なぜ彼が実家の土地を売れたのか、という疑問が残ります。「土地の書類は? どうやって話を進めたの?」と尋ねると、夫は「そんなの必要ないって言われた」とありえない返事……。

 

よくよく問い詰めると、例の起業家に「この土地を買いたい人がいるから仲介していいか?」と聞かれて、二つ返事でOKしたそう。やり取りは例の起業家に任せきり……。

「売ったお金は投資に回しておく」という起業家の言葉を鵜呑みにして、お金はもらわないまま、夫は仲介手数料を払ったのだそうです。

 

もちろん土地は売っていないので、お金を投資などできていません。仲介手数料は騙し取られたのでしょう。

 

まるで「いらなくなった電化製品を人に安く売った」かのような気軽な取引……誰がどう聞いても、夫は騙されたに違いありません。こんなにも安っぽい詐欺に引っかかるなんて、わが夫ながら情けなく思いました。

騒動のその後に…

意気消沈した夫は、別居を解消して家に戻ってきました。彼が慕っていた例の起業家からはあれ以来なんの連絡もないようです。

 

仲介手数料以外にもちょこちょことお金を払っていたようで、高い勉強代でした。今では「成功者になる」と言うこともなくなり、堅実に仕事をしています。

 

すべてが元通りではないけれど、今はそれでいいと思えるようになりました。昔の夫が戻ってきたような気持ちです。

 

◇ ◇ ◇ 

 

夢を持つこと自体は、決して悪いことではありません。けれどその夢が、いちばん大切な人を傷つけたり、足元をおろそかにしてしまっては本末転倒です。

 

華やかさはなくても、今日も同じ家で同じ時間を過ごせていること。その当たり前を大切にする日々の積み重ねが、人生を少しずつ豊かにしていくのかもしれません。

 

 

【取材時期:2025年11月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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      間違いだったけど義父母の死を悲しむこともなく、嫁の実家を勝手に売った人と離婚しない理由が見つからない
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      堅実に仕事をしていても、またいつかやらかしそう。
      本当に両親が亡くなって家や土地を相続したときが恐ろしいし、昔の夫が戻ってきたとか油断してないでいつでも離婚できるように策を打っておけと。

    この記事の著者
    著者プロファイル

    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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