このまま崖下に落ちるかもしれない
あっという間の出来事で、私たちが乗ったタクシーはガードレールを突き破るという大事故に遭いました。車体の前方は崖の外にわずかにはみ出しており、バランスを崩せば今にも落ちそうな状態でした。
母と私はとっさに車内で反対側に体を寄せようとしましたが、恐怖で体が固まって動くことができませんでした。ほんの少し動くだけで崖下に転落するかもしれない……そんな恐怖が、私たちを完全に支配していたのです。
無事に救助されるものの
幸い、通りかかった方々がすぐに警察と消防に通報してくれ、私たちは無事に救助されました。車外に出たとき、改めて崖をのぞき込み、その深さに震えました。「あと少しでも前に進んでいたら……」と、今思い出しても胸が苦しくなります。
後日、親戚の集まりの場では、「あの世に連れていかれそうになったんだよ」「ご先祖さまが助けてくれたのかも」など、さまざまな言葉が飛び交いましたが、私にとっては笑い話では済まされない、本当に命を失ってもおかしくなかった出来事でした。
事故をきっかけに得た教訓
それ以来、私の中では「人はいつか死ぬ」ではなく、「人はいつでも死ぬ」という感覚が根づきました。毎朝目覚めるたびに、「今日が最後の日かもしれない」と思いながら、1日を大切に生きることを自分に誓っています。
過去を悔やまず、未来を憂えず、「今この瞬間」を精いっぱい生きる。その姿勢は、あの事故をきっかけに得た、人生で最も大きな教訓かもしれません。
まとめ
二度と同じような体験はしたくありませんが、あの日の出来事が私の人生に深く影響を与えたことは間違いありません。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:武田里美/60代女性・会社員。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年7月)
シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように!
シニアカレンダー編集部
「人生100年時代」を、自分らしく元気に過ごしたいと願うシニア世代に有益な情報を提供していきます!
-
「知らない人がいる!」幻覚が見え始めた母がパニックに…自宅介護に限界を感じて
-
「キャー!」台所で激しく転倒した母…家族が気付いた小さな危険の正体とは【体験談】
-
「施設に預けるなんて…」祖母の介護に限界。母が決断した苦渋の選択とは【体験談】