私も弟家族も、母が育てた野菜をもらいに実家へ立ち寄る機会が多く、よく顔を合わせていました。
弟夫婦は、はたから見ると、とても幸せそうに見えていたのですが……。
毎週末、双子を預けて出かける義妹
ある日、私は弟から相談を受けました。A子さんが家の貯金を勝手に使い込み、高級なブランド品を大量に購入していたそう。「次にこんなことがあれば離婚だ」と釘を刺したものの、弟は心配で仕方がない様子でした。
しかし、その不安は的中してしまいます。シフト勤務で週末は夜勤が多い弟。ある週末、母が一度、双子を預かったことをきっかけに、A子さんは毎週末、実家に双子を預け、ひとりで出かけるようになりました。ついには平日の夜も、弟が夜勤の日は必ずと言っていいほど、双子を預けに来るようになったのです。
これにはさすがに母も困惑。日曜に予定があった母が「日曜は預かれないわよ」と伝えると、A子さんは当然のように「じゃあ、土曜日はお義母さん、日曜日はお義姉さんが見てください」と言ったのです。偶然、実家を訪れていて、私もその場に居合わせたので「私が見るよ!」と申し出ると、なぜか「絶対イヤです!」と拒否されました。
家族の中でも特に双子と仲がいいのは私なのになんで……? A子さんの反応に違和感を覚えた私は、そのまま実家に週末まで泊まることに。私も一緒に実家で双子の面倒を見ることにしました。
そして、私が「ママは、どこにお出かけしてるの?」と双子に聞くと、双子から衝撃の事実を聞かされたのです。
双子が教えてくれた義妹の秘密
初めは「内緒ー! ママとの約束だから言わない!」と言っていた双子でしたが、「でも、お姉ちゃんにだけは教えてあげる!」と言い、小声で私に話してくれました。
「ママはね、ホストに行ってるの! かっこいいお兄ちゃんのところだよ!ママのカレシもいるの!」と、双子は無邪気に教えてくれたのです。私が双子を預かることをA子さんが拒否したのは、家族の中でも特に私は双子と仲がいいため、不倫がバレることを恐れたからではないかと思いました。
私は弟に双子から聞いた話を報告。すると弟は、A子さんのいない間に家を調べると言っていました。
そして翌日の夜、この日は姉が双子を預かる日。弟は仕事の都合をつけて、家中を調べたそうです。すると、複数のホストの名刺を発見。さらに、プレゼントに用意していたであろう、男性の名前が刻印されたアクセサリーを見つけたのです。
そして弟はすぐさま探偵に義妹の調査を依頼。数週間の調査の結果、A子さんと刻印されていた名前の男性の不倫が発覚しました。調査報告によると、A子さんの不倫相手は、ホストクラブで黒服として働く男性。さらにその男性は既婚者でした。
不倫相手の男性は自分の妻が不在の間に、自宅にA子さんを連れ込んでいたのです。A子さんは、ホストクラブに通い、夜遊びをしていただけではなく、そこで働く男性と不倫まで……。
弟から真実を聞き、私も母も姉も言葉を失いました。ちょうどそのときです。A子さんが再び、双子を預けにやって来ました。
「どうしてあなたがここに!? 仕事じゃないの?」と、弟の顔を見て驚くA子さん。弟は、A子さんに「シフトを変わってもらった。今日も俺が夜勤だから子どもたちを預けに来ると思ったよ。それでお前は男とお楽しみか?」と言いました。
調査報告書を突きつけられ、絶望したようにその場で崩れ落ちたA子さん。さらに弟は「もうお前とは離婚だ。子どもたちの親権は俺が持つ。慰謝料と養育費もしっかり払ってもらうからな」と冷たく言い放ちました。
身勝手な義妹の顛末
その後、弟とA子さんは離婚。弁護士を通して協議した結果、双子の親権は弟のものになり、A子さんは借金をして、弟に慰謝料を支払い、養育費についてもきっちり支払うと約束したそう。不倫相手からも相応な額の慰謝料を受け取ることができた弟。
もちろん、A子さんと不倫相手の秘密の関係は破綻。A子さんは借金返済のため、アルバイトを掛け持ちし、寝る間もなく働き詰めだと聞きました。
一方、弟と双子は実家で暮らし、母や姉の協力もあって穏やかな日々を取り戻しました。私も頻繁に実家へ遊びに行き、双子の笑顔に癒されています。
◇ ◇ ◇
子どもたちを預けて、不倫とは……身勝手すぎる義妹の行動にはあきれてしまいますね。自分の欲望だけで周囲を顧みない人には、いずれ天罰がくだるのでしょう。お母さんやお姉さん、みんなの助けがあって子どもたちが平穏に暮らしていることは、唯一の救いでした。義妹には、これをきっかけに心を入れ替え、これから関わる誰かを傷つけないよう、誠実に生きていってほしいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。