引き出しの中からメモを発見
私は彼の家で片付けをしながら、仕事を終えた彼が帰ってくるのを待っていました。ふと気がつくと外はすっかり暗くなっており、たたみ終えた衣類をしまおうと引き出しを開けた瞬間、「えっ……!?」と思わず声を漏らしてしまいました。
なぜなら、引き出しの中には「昨日は楽しかったね! 大好きだよ♡」と書かれた小さなメモがあったからです。
さらにほかの引き出しを開けてみると、「また泊まりに来るね♡」など、同じようなメモがいくつも見つかりました。驚きと苛立ちが入り混じる中、私は「浮気してるでしょ?」と彼にメールを送り、そのまま黙って彼の帰りを待つことにしました。
「おかしいだろ」彼が青ざめて
夜、玄関のドアが開くと、そこには冷や汗をにじませ、顔面蒼白になった彼が立っていました。このときの私は「浮気がバレたことに焦っているのだろうな」と思っていましたが……。彼は冷静に「紙を見せてほしい」と小さく呟き、そのまま床に腰を下ろしました。
私は無言で数枚の紙を並べ、じっと彼の目を見据えました。しばらく沈黙が続いたのち、彼は「……おかしいだろ……」と絞り出すように言葉を発します。
どういうことかと思っていると、「これは元カノの字だ」と彼。続けて彼は震える声で「元カノ、まだこの家の鍵を持っているんだ」と言いました。
元カノの行動に鳥肌
その瞬間、ゾワリと全身に鳥肌が立ちました。彼は浮気などしておらず、元カノが彼の不在中に家に入り、こうして手書きのメッセージを、あえて目につきやすいところに隠していたことがわかったのです。
後日、彼は自宅の鍵を新しくしました。私はあのときの鳥肌が今でも忘れられません。人を一途に愛することはもちろん素敵なことですが、想いを伝える方法を、決して間違えてはいけないと強く思わされた出来事でした。
著者:榊原愛七/30代女性・1児の母。看護師・カウンセラー兼、恋愛エピソードを執筆するライター。
作画:おはな
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートなどで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!