お下がりの服を広げてビックリ
仕事先で出会ったAは、3人の小学生の子どもを育てるママ。仕事ができてしっかり者のAには大雑把な一面もあり、「育児も家事も適当でいいのよ!」が口癖。私より少し年上でしたが、私にも同じようなところがあるため気が合いました。
Aの子どもたちは面倒見がよくてやさしく、私の6歳の息子をいつもかわいがってくれます。Aは隣町に住んでいて頻繁には会えませんが、お互いの都合が合えば休日に子ども同士を遊ばせるような仲です。
あるとき、A親子が久々にうちに遊びにくることになり、息子も私も楽しみにしていました。Aはわが家に着いて早々、「うちの子たちのおさがりなんだけど、もらってくれない? まだ十分着られるから!」と大きな紙袋に入った、大量の子ども服を私に差し出したのです。私は「ラッキー♪ 助かるよ」と言い、ありがたく受け取りました。
みんなで楽しく遊び、A親子が帰ったあとにさっそくもらった服を確認します。紙袋から服をすべて出し、1枚ずつチェックをしてみたらなんとビックリ! ほとんどの服に穴が開き、襟元も黄ばみや汚れだらけなのです。どれを広げてもヨレヨレの服ばかりで、とても着られる状態ではなく……。譲ってくれるのはうれしかったのですが、正直困惑……。「何これ、僕、着たくない」と正直に言う息子に、私は何も声がかけられませんでした。
モヤモヤしてどうしようもなかった私は、勇気を出してAに「ちょっと言いにくいんだけど、もらった服のことで……」と電話をしました。すると「あ、やっぱりダメだったか。本当は捨てる予定だったけど、あなたなら使ってくれるかな~とダメ元で渡しちゃったー!」とまったく悪気なく本音を口にしたA。まさかの言葉に、思わず私も「あんなボロボロの服は子どもに着させられないから、処分します」と本音で返して電話を切りました。
Aは焦ったのかすぐに折り返しの電話がかかってきましたが、どうしても話す気になれず、出ませんでした。するとAからは「あなたたちいつも安そうな服ばっかり着てるじゃない。うちのおさがりは多少汚れてるけど、ものはいいの。そんなに嫌がらないでよ~」「これからもさ、気兼ねなく服を譲り合える関係でいようよ!」とメールが。これからもボロボロのお下がりを押し付けられるかもしれないのか、と思うとゾッとし、それ以来Aとは少し距離を置き、あまり関わらないようにしています。
お下がりの服をくれること自体はとてもありがたいです。しかし、捨てるはずのボロボロの服を「まだ十分着られる」と嘘をついて渡されたことがショックでした。また、私ならそのひどい状態の服でも受け取るだろうと思われていたことも、馬鹿にされたようで腹が立ってしまったのです……。
今回の経験から、私も他人にお下がりの服をあげるときは、どのような状態かをしっかり伝え、もらう立場の人の気持ちを考えるよう気をつけたいと心に決めた出来事でした。
著者:林 きくこ/30代・主婦。整理整頓が苦手で子どものおもちゃの収納に年中悩む、6歳の男の子と生後8カ月の女の子を育てる母。三食すべて納豆ご飯でもいいくらい納豆が好き。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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