大好きな仕事に就いた沙織は、育休後、仕事に復帰するつもりでした。しかし守は、沙織が産休に入った途端、退職をすすめます。理由は、沙織の同僚・恵美と杏奈が沙織の悪口を言い、沙織を陥れるための企みをしているのを聞いてしまったから。
悲しくなった沙織は、「自分には家族がいる」と胸に言い聞かせ、今の職場を退職する決意をしました。
やがて息子・晴人を出産。退院した沙織に、守はプレゼントを用意していました。「クローゼットを開けてみて」と言われ開けてみると――?
喜びのはずが一転…ゾッとした夫のサプライズ
白い服ばかりが並ぶクローゼット。今まで着ていた服が処分されていたことに、沙織は驚きと動揺を隠せません。守は、「自分の母親が派手な格好をしていて、子どものころ恥ずかしかった」と語ります。
「晴人も生まれたし……理想の母親であるべきだろ?」
その言葉に恐怖を覚え、ゾクッとする沙織。さらに後日、沙織が息子にミルクをあげようとすると――。
「何してるの?」
相違って守に腕をつかまれ、振り向いた沙織は、守の笑みに再び不気味さを感じるのでした。
◇ ◇ ◇
守の「プレゼント」は、沙織の服を勝手に処分して自分好みの服に入れ替えることでした。子どものためを思っての行動と言っていますが、沙織の気持ちを置き去りにしてしまっています。それに、本当に子どもが望むのは、理想の母親像ではなく、笑顔のママなのではないでしょうか。誰かを思う気持ちが強すぎて、相手の気持ちを置き去りにしていないか――立ち止まって考えたいものですね。