ショックを受けたかばのきさんは、どうにか夫に説明すると「もし大きな異常が見つかった場合、どうしたい?」と聞かれます。夫の言葉が胸に刺さりながらも、かばのきさんは、「産めない。私には育てられる自信がない」と素直な気持ちを吐露。
そして、迎えた初期胎児ドックの結果、かばのきさんは医師から『13トリソミー』あるいは『21トリソミー』の可能性を指摘され、より正確な診断が可能な絨毛検査(じゅうもうけんさ)を強く勧められます。
改めて突き付けられた現実に、かばのきさんは生存率や症状を検索する手を止められず、帰りの電車内でも涙があふれるのでした。
※出生前診断…おなかの赤ちゃんの染色体異常や先天的な病気を調べる検査。
※初期胎児ドック…胎児に染色体異常の可能性やその他の身体的疾患がないか調べるためのより精密な超音波検査。
※絨毛検査…胎盤の一部である絨毛を採取して、胎児の染色体や遺伝子の状態を調べる検査。
※不妊治療、死産についての表現があります。苦手な方は閲覧をお控えください。また、医療行為や症状については専門家にお尋ねください。
夫の問いかけに答えられない妻は…
かばのきさんは、夫から改めて赤ちゃんを産みたいかどうかを問われるも、言葉が出てきません。
数日前、一度は「産めない」と答えた自分に怒りを覚えるとともに、簡単に判断できない厳しさを痛感します。
そして、かばのきさんは、実母の言葉を思い出します。
脳性まひのわが子を育て、亡くした母からの言葉を受け、「こつぶを理由に決めてはいけない」そう考え、しっかり自分の考えと向き合ったかばのきさん。
「検査結果が陽性だったらこの子を諦めたい」
かばのきさんは「ごめんね」と心の中で謝りながら、一度目の話し合いと同じ答えを出したのでした。
▼つらくて、悲しい決断となりましたが、夫婦で話し合うことができて良かったですね。ショックを受けたとき、人は考えることすら放棄してしまいたくなることもあるかもしれません。それでも、かばのきさんは「どちらも私のエゴだ」と自分の心と真正面から向き合うことをやめませんでした。
自分が理由となり、命の重みを背負おうとするかばのきさんの強さも、それを受け止める夫の冷静さも、どちらも命に対して真摯にあろうとする姿が印象的でした。
人生には、大きな決断を迫られる場面に直面することもあります。そんなときには、ひとりで抱え込まず、まわりの人を頼ってください。自分だけでは見えてこなかった答えも見えてくるかもしれません。
※人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
かばのきさんのマンガは、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。