息子に指摘された夫は…
仕事から帰宅してバタバタと夕飯の準備をしていた私。キッチンに立っていると汗が噴き出てきます。私はソファーでTVを見ていた夫に「今日暑いね」と声をかけました。ただの雑談のつもりだったのですが……。
夫は「ほんとに今日は暑いよな! やっぱり地球温暖化のせいだよ。南極の氷が全部溶けてて……」と嘘かほんとかわからない夫の“語りモード”が発動。私は、「暑いって言っただけなんだから、そうだねって言ってくれるだけでいいよ」と言うと、「いやいや、もっと関心を持たないとだめだよ」と夫は反論してきます。
関心を持つこと自体は悪くないと思うのですが、私が求めていたのは「暑いね。エアコンの温度下げる?」といった「会話」。しかし夫は構わず「あの〇〇っていう政治家が原因で電気代も〜」「そういえば暑さが原因で今年も米がまたなくなるらしいよ!」などと、ひとりで延々と話し続けました。私は「はいはい」と最初だけあいづちを打っていたものの、語り続ける夫にため息が出ます。
そんなとき、夫の隣でお絵かきをしていた息子が「パパ、お話しするときは相手の気持ちを考えないと。ママ楽しそうじゃないよ」とズバリ。夫はギクッと気まずそうな顔をするも、「でも、ネットにはテレビでは見られないような情報もたくさんあるんだよ。知っとかないと」と得意げに答えました。しかし息子が続けて「それって、ほんとにほんとのことなの? この前、先生が言ってたよ。インターネットには嘘もあるから、ちゃんと本を読んだり、自分で考えたりすることが大事なんだって」と言ったのです。
すると、夫がピタッと黙りました。しばらくして、「たしかに、ちゃんと調べてないことも多いかも」とポツリと言う夫。私も「政治や環境問題に関心を持つことは大切だと思う。でも『暑い』って言っただけで語られるのはちょっと面倒かな」とついでに付け加えておきました。
それ以来、夫の“語りモード”が発動することは減っています。その代わりに、息子といっしょに図書館へ行ったり、博物館などに出かけたり、インターネット以外で情報収集をすることが増えたようです。
自分の得た知識を誰かに伝えたいのは自然なこと。しかし、一方的に言いたいことだけを話していては、相手を退屈にさせてしまうことも。夫の様々なことに興味を持つ姿勢が、ダラダラと語ることではなく子どもの知識関心を深める方向にシフトチェンジしてくれてよかったです。
また、情報があふれている今の時代だからこそ、流れてくる情報を鵜呑みにせず、正しい情報かを見極めてうまく活用し、自分で考え学ぶ姿勢を息子に見せていくのが親のあるべき姿のひとつだと私は思います。これからは、夫や息子とともに、自分自身もネットの情報の扱い方に気をつけながら、家族の会話を増やしていければいいなと思った出来事でした。
著者:菅田 りさ/30代・パート。6歳の男の子を育てる母。田舎暮らしで仕事や育児に奮闘中。最近の楽しみは子どもとのパン屋めぐり。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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