夫はお人好しというか、人を信用しすぎたり頼まれると断れないところがあり、心配になることも多い人です。
ある日、私が週末に用事ができて出かけることになり、夫に娘のお世話をお願いすることにしたのです。
信じられない!娘を人に預けて夫が向かった先は
仕事を終えて帰宅すると、娘がぽつりと打ち明けました。
「今日はお友だちのお家で遊んでたの」
驚いて夫を問い詰めると、彼は気まずそうに目を逸らしました。
「実はさ、元カノがシングルマザーになってて。『どうしても子どもを見てほしい』って泣きつかれたんだ。だから娘を●●さん(ママ友)の家に預けて、ちょっと手伝ってきた」
私は思わず言葉を失いました。自分の娘を他人に預けてまで、元カノの子の世話を優先するなんて信じられません。私は夫に厳しく注意しました。
「次、同じことをしたら、離婚も考えるから」
家族をないがしろにした夫に、私の我慢は限界
ところが翌週、さらに衝撃的なことが起こりました。仕事から帰ると、知らない女の子が家にいました。
「……この子は?」と夫に聞くと、なんと元カノの子どもとのこと!
夫は「いやぁ~俺、お人好しだから頼まれたら断れなかったんだよ。2週間預かってほしいって。娘と同じ年だし、遊び相手ができてちょうどいいだろ? ふたりとも、仲良くしろよ♪」と言いました。
その瞬間、私の我慢は限界を超えました。
「約束したよね? もう次はないって。家族をないがしろにしてまで元カノを優先するなら、お好きにどうぞ。離婚しましょ」
娘も「あのさ、ママもパパも働いてるのに、どうやってこの子の面倒みるの?」と。娘の正論にぐうの音もでない夫。普段わが子のお世話もしないのに、どうやって人の子まで面倒を見る気なのでしょう。私に押し付けるつもりだったのかもしれませんが、私は知ったことではありません。
大変なことをしてしまったと今ごろ気付いた夫は慌てだしますが、時すでに遅し。私は娘を連れて実家に帰ることにしました。荷物をまとめる私を見ながら、夫は青ざめた顔で立ち尽くすしていました。
お人好しではなく、無責任。反省した夫の行動は
数日後、夫が実家にやってきました。顔は疲れ切り、目には涙が浮かんでいました。
「本当にごめん。元カノの子は返してきた。俺、自分のことをお人好しで親切な人だって思い込んでた。でも、ただの無責任だった。これからは家事も育児もちゃんとやる。元カノとはもう一切連絡を取らない。約束する。家族を一番に考えるから」
深く頭を下げる夫の姿に、私は少しだけ心が揺れました。
「信じるかどうかは、これからの行動次第で考える」そう伝え、娘と自宅に戻りました。
その日から、夫は別人のように変わりました。
「今日は俺がごはん作るよ」「お風呂掃除しておいたから」
不器用ながらも家事をしてくれるようになり、娘と一緒に遊ぶようになり、家族に向き合ってくれるように。
娘は嬉しそうに「パパと遊ぶの楽しい!」と笑顔を見せてくれます。
試練を経た今、ようやく夫は本当に守るべきものに気づいたのかもしれません。
私は、もう一度信じることにしました。次はありません。家族のために変わってくれた夫を信じ、壊れかけた家族の絆を再構築していければと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。