弟を溺愛する両親
僕が大学4年生だったころに、家族4人で、僕の卒業後の進路について話していたときのこと。「就職も決まっていなくてどうするんだ」と言う両親に、僕は「実はやりたいことがあって」と伝えました。僕は企業への就職は考えておらず、自分の会社を立ち上げるつもりでした。
すると両親から「まぁ、あんたがどうしようと関係ないけど、卒業後は、弟の大学受験も控えているから実家を出てね」との発言が。
両親は昔から僕にあまり関心がなく、弟ばかりをかわいがっていました。このときの言葉も、僕の就職を心配しての発言ではなく、弟が少しでも受験に取り組みやすい環境を作りたいと思っての発言だったのでしょう。両親が、僕を邪魔に思っていることがとてもわかりました。
その後、大学を卒業した僕は家を出ることに。両親は見送りをしてくれましたが、「お前は大人なんだから、1人で頑張ってくれ」と言い、弟は「しばらくは会えないな。はい、1000円。暮らしのタシにしなよ(笑)」とバカにする始末です。
正直、僕はようやくこの家を出られるということに安堵がありました。そのため、両親とは縁を切る覚悟で「今までありがとう。さようなら」と実家を出たのでした。
招待していないのに!?
そして、僕はゲームや音楽、映画を制作する会社を立ち上げました。会社は順調に成長。そしてそんなタイミングで、僕を支えてくれた幼なじみのAと結婚することになりました。
結婚式当日、ゲストたちが祝福してくれる中、懐かしい声が聞こえてきました。
「起業する予定があったなら先に教えてくれればよかったのに!」
声のするほうを見ると、弟の姿が。僕は招待していなかったので、なぜここにいるのか驚いていると、「私が招待したの」とA。Aは、僕と家族が縁を切ったことを知っていましたが、家族と僕の間にあるわだかまりを解決したいと思っていたようでした。
「これからは私が支えるから、彼は家族と離れて幸せになります!って伝えたいの」
AはAなりに、僕と家族のことを考えてくれたみたいでした。
弟の暴走
「今日は来てくださってありがとうございます」
「今日はおめでとう。ねぇ、さっきあなたの会社のお金?の話が出ていたみたいだけど…」
両親は僕の会社の話を聞いてきました。どんな会社なのかを聞かれたので仕事内容を伝えると、弟の仕事と同じような内容であることが判明。
しばらくして、僕たちが話をしているところに他のゲストもやってきました。僕とゲストが話しているところを不思議そうな目で見ていた弟に「会社の取引先の人だよ」とAが説明してくれました。すると、弟が僕とゲストが話しているところに割って入ってきたのです。
「はじめまして。弟の…」
僕は慌てて止めましたが、弟は知らんぷり。次々とゲストに声をかけていく始末。Aから聞いた話ですが、弟のいる会社は経営が危うい状態だったとのこと。弟は、どうやら僕を通して大きな会社とのつながりを求めているようでした。
今さら遅いよ
その様子を見ていた両親は、「弟が困っているときに助け合わなくてどうするの?」と言い出しました。「あなたの会社で弟を働かせてあげれば良い」と言う両親に、僕は「弟をうちの会社で働かせることはできない」とキッパリ。
「家族じゃないのか」と両親は言いますが、僕は「僕たちが家族なのは表面上だけだった」と返しました。いつも弟と比較されてつらかったこと、自分なりに頑張っていたのに認められなかったことを伝えると両親は黙ってしまいました。弟にも、「さんざん僕をバカにしていたのに、今さら頼るなんて無理がある」と伝えると、弟は落ち込んでいる様子でした。
その後、母から聞いた話によると、弟は退職し、働きもせずに実家でダラダラと生活しているとのことです。父からも「どうにかしてほしい」と連絡が入りますが、「甘やかしたのはあなたたちでしょう」と拒否しています。
そんな中僕たちは、仲良く結婚生活を送っています。これからも2人で、僕たちなりの家族像を目指して幸せに生きていきます!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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