娘が落ち着くのを待っていると…
娘は2歳になってから自己主張が激しくなり、かんしゃくを起こすイヤイヤ期に突入。その日も、保育園からの帰り道で「公園に寄りたい」と駄々をこね、公園の前の歩道の真ん中に寝転がって大泣きし始めました。こうなると何を言っても、何をしてあげても泣き止まずその場所を動かない娘……。保育園のお迎えに行くのが遅れて18時を過ぎ、日も暮れかかっていたので今から公園へ行くのは無理だと思い、娘の気持ちが落ち着くのを10分ほど待つことに。
抱っこを嫌がる娘を通行人の邪魔にならないよう歩道の端に連れていき、あえて声をかけずに様子を見守ります。すると、公園の横にあるパン屋からパンを片手に持った大学生ぐらいであろう男性が3人出てきました。そして、私と娘の様子を見て近寄ってきたのです。
「娘さんを歩道に寝かせて、泣かせて、何してるんすか」と1人の男性が言います。私は、「何をしても泣き止まないので、落ち着くのを待っているんです」と答えました。すると男性は「できたてのカレーパンを食べようと思ってんのに、ここで泣かれてるとうっとうしいんすよね」とうんざりした表情で言います。1人が話し出すと、それを皮切りに残り2人の男性も「っていうかちゃんと面倒見てないから泣いてるんだろ?」「しっかり子どもの管理をしろよ、クソばばあ」と口々に私を罵倒します。男性3人に囲まれて怖くなり、反論することもできませんでした。
すると、私が固まっているところに70代ぐらいの年配女性が近づいてきました。そして、男性たちをかき分けて私に近づき、「あらあら、今イヤイヤ期なのね。大変よね、この時期は」と声をかけてくれました。そして、男性たちに「あなたたち? お母さんは、しっかり目を離さず見てるじゃない。小さな子の泣き声でパンがまずくなっちゃうの? パンを食べるより先に、自分の未熟さを振り返ったほうがいいんじゃないの?」と言ってくれたのです! 男性たちは、年配女性の迫力にたじたじ。「すみませんでした……」と口をもごもごしながら言うと、小走りで去っていきました。
ふと見ると、娘はすっかり泣き止んでいます。私が年配女性にお礼を言うと、笑顔で「全然いいのよ。お母さん、頑張ってね」と笑顔で手を振ってくれ、私は感謝の気持ちでいっぱいになりました。こうして、私は娘と共に無事に帰宅することができたのでした。
子どもが泣いている理由は、必ずしも親のせいではないと私は思います。それに、あの男性たちのように状況だけを見て勝手に判断して責めるだけでは、その場は解決するどころか相手を追いつめるばかり……。もし私と同じように誤解されて責められている親子がいたら、助けてくれた年配女性のように、心に寄り添った声かけができる人でありたいと思った出来事でした。
著者:村井あずき/20代・ライター。音が鳴るおもちゃが大好きな2歳の女の子を育てるママ。夫と2人で初めての育児に奮闘中。娘と一緒に絵本を読むのが大好き。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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