私たちの予約席の真ん中に見知らぬ男性が!
3歳になった長男は、テレビの歌番組に合わせて体を揺らし、おもちゃのマイクを片時も離さないほどの歌好き。そんな息子の姿を見るたびに、「いつか本物の音楽を聴かせてあげたいな」という思いが日に日に募っていました。
そんなある日、まるで運命のように、家の近所で子ども向けのファミリーコンサートが開催されることを知ったのです。「これだ!」と心がおどりました。初めてのコンサートでも、近所なら息子の負担も少ないし、小さな会場でアットホームな雰囲気のようだったので安心感がありまいた。
早速チケットを取り、息子に「今度、お歌のコンサートに行くんだよ」と伝えると、目をキラキラさせて大喜び。その日から、私たち家族の楽しみなイベントになりました。
そして当日。期待に胸をふくらませた私たち家族3人は、ごきげんで会場へと向かいました。
ネットで予約したのは、子どもを間に挟める3人並びの席。これで安心……のはずが、なんと私たちの席の真ん中に、大柄な男性が一人、どっしりと座っているではありませんか。
「あの……すみません。この席、私たちが予約しているはずなのですが……」 恐る恐る声をかけると、男性はきょとんとした顔で「え? 僕、この席番号ですよ?」とご自身のチケットを見せてくれました。
まさか、ダブルブッキング? 嫌な予感がしながらお互いのチケットを見比べてみると、どちらも同じ席が書かれています。見た目も同じで、男性のチケットも本物だと思いました。……ただ、よく見てみると、原因が判明。男性のチケットは今日の日付。そして、私のチケットに印字されていたのは……なんと明日の日付だったのです。
その瞬間、頭が真っ白になり、隣にいる夫と顔を見合わせます。そういえば、入場時に受付スタッフの方はチケットをちらりと見ただけだったような……。
私たちは恥ずかしさと申し訳なさでいっぱいになり、男性に平謝り。事情がわからない息子は「どうして帰るの?」と不思議そうに私の顔を見上げています。その無邪気な瞳が、私の心に罪悪感として突き刺さりました。
そして翌日。「今日こそは!」と、昨日の失敗を取り返すべく、夫と二人でチケットの日付と場所を確認して、再び会場へ向かいました。昨日、一度は会場に来たのに何も見ずに帰った息子は、道中ずっと「今日は見れるのー?」と不安そうにくり返していました。そのたびに、「大丈夫! 今日は絶対に見られるよ!」と答えた私。
無事に席に着き、会場が暗くなって音楽が鳴り響いた瞬間、心からホッとしました。コンサートが終わるころには、息子も私たちも大満足。最高の思い出ができました。
この一件以来、何かを予約するときは夫婦でのダブルチェックがわが家の鉄則になりました。私のうっかりミスから始まったドタバタ劇でしたが、今では家族の笑い話になっています。
著者:西野まなみ/30代女性/1歳と5歳の男児を育てているママ。現在専業主婦。趣味は筋トレ。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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