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義実家に帰省した際に出された昼食…「え?うそでしょ?」戸惑いを隠せなかった義母のそうめんとは

まだ子どもが生まれる前の、初めてのお盆帰省。義実家で「さあ、そうめんをどうぞ」と出された瞬間、私は思わず言葉を失いました。そこに広がっていたのは、想像もしなかった光景だったのです。

 

義実家のそうめん

夏の昼下がり、お盆の集まりで義母が出してくれたのは、そうめんでした。しかし、添えられたのはめんつゆではなく、なんとみそ汁。「この地域では、そうめんにみそ汁をかけて食べるのが昔からの習わしなのよ」と義母はにこやかに教えてくれます。

 

みそ汁に、そうめん……? 正直、味の想像が全くつきません。「郷に入っては郷に従え」と頭ではわかっていても、目の前の慣れない光景にどう反応していいかわからず、お箸を持ったまま固まってしまいました。しかし、ひと口食べてみると、意外にもさっぱりとしていて新しいおいしさを発見したのです。

 

私が「おいしいです!」と笑顔で答えると、義母や親戚のみなさんは満足そうに頷いています。しかし、ふと周りを見渡すと、ほかの親戚たちが食べているのは見慣れためんつゆのそうめんでした。私だけが「みそ汁そうめん」だったのです。

 

 

その瞬間、和やかだった食卓で、私だけが少し違う場所にいるような、何とも言えない居心地の悪さを感じてしまいました。後から聞いた話では、「せっかくだから地域の食べ方を体験してほしくて」という、私を思ってのことだったようです。

 

そのやさしい気持ちはとてもうれしい反面、「先にひと言教えてくれていたら、もっと素直に驚いたり、楽しんだりできたかもしれない……」と、正直、少し複雑な気持ちになりました。

 

 

けれども、今となっては、あのときの戸惑いも、義実家のみなさんのやさしさも、すべてがよい思い出です。結婚とは、違う文化を持つ者同士が家族になることなのだと、改めて実感した出来事でした。あれから数年が経ち、今では2人の子どもがいます。次に帰省したときは、どんな新しい発見があるのか、家族みんなで楽しみたいと思います。

 

著者:川田美奈/30代女性/2人の子どもと夫の4人暮らしのママ。最近の趣味は編み物をすること。

イラスト:はたこ

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)

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