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元カレを奪った妹「大豪邸で結婚式よ♡」私「っていうか解体中だよね?」略奪婚した2人から私にSOSが届いたワケ

5年間、結婚前提で付き合ってきた彼を、実の妹に奪われた私。「地主の息子」という肩書に目がくらんだ妹と、私を裏切った元彼。でも、その2人の幸せは長くは続かなかったのです……。

すべてが始まったのは、半年前のことでした。妹から「お姉ちゃ~ん! ちょっと大事な話があるんだけど!」と連絡がきて……?

 

妹からの略奪宣言と、元彼の本性

普段あまり連絡してこない妹からの突然の電話に、胸がざわつきながらも「どうしたの?」と尋ねた私。

 

「あのね……お姉ちゃんには悪いんだけど、彼は私がもらうから」


一瞬、言葉の意味が理解できませんでした。私には当時、結婚を前提に5年付き合っていた彼氏がいました。翌月の記念日には、きっとプロポーズしてくれるはず……そう信じて疑わなかったのに、その彼を妹は奪ったと言うのです。


「あーびっくりしてる? まぁそりゃそうだよね! でもね、これは仕方のないことなの。だって彼の実家って、地主なんでしょ? 玉の輿のチャンス、どうしても手に入れたかったの!」


妹の口から出てきた信じられない言葉に、全身の血の気が引いていくのがわかりました。怒りと混乱で、指先が震えます。

 

妹は勝ち誇ったように、「お姉ちゃんは地味だから無理だよね。彼も私といる方がラクだって言ってたよ」とだけ言い残し、一方的に電話を切りました。

 

たしかに昔から「お金持ちになりたい」が口癖で、私のものをなんでも欲しがる妹ではありましたが……。まさか、私の一番大切な人まで奪うなんて……。

 

 

 

震える手で、私はすぐに彼に電話をかけました。何かの間違いであってほしいと願いながら事実を問い詰めると、彼は軽い口調で言ったのです。

 

「あー、もう全部、言っちゃったんだ……。お前には悪いけど、そういうことだよ」


恋人の妹に手を出しておきながら、悪びれる様子は一切ありませんでした。誘ってきたのは妹の方だと開き直り、若くてかわいい子のほうを選んで当然とまで言い放ったのです。


あまりの不誠実さに、怒りを通り越して目の前が真っ暗になりました。

 

「実を言うとお前への気持ちも冷めつつあったんだよなぁ。真面目すぎて、なんか息苦しいっていうか」「俺の実家って地主だし、正直ガツガツ働く必要ないわけよ。なのに『ちゃんと真面目に働きなよ!』とか説教ばっかだし。俺はもっと気楽に生きたいの! 彼女は、そういうのわかってくれるんだよ」

 

彼との将来を真剣に考えていたからこその言葉が、「説教」としか受け取られていなかったなんて。結局、彼は自分の都合のいいように甘やかしてくれる女性がよかっただけなのでした。

 

彼の本性を知り、もうこの人とは無理だと悟りました。私は「二度と連絡してこないで」とだけ告げ、電話を切りました。これが、私の5年間を捧げた恋の、あっけない最後でした。

止まらない妹の幸せ自慢

それから3カ月後――。

 

妹から「お姉ちゃ〜ん! 私、ついに彼と入籍したの!」と電話がありました。


予想はしていましたが、その幸せそうな声に、心の奥底で黒い感情が渦巻くのを感じました。私が冷たく「おめでとう」とだけ返すと、妹は「何その反応~! 冷たくて悲しいんだけど~!」と不満そうに言いました。

 

そして、妹は聞いてもいないのに幸せ自慢を始めました。入籍だけ先に済ませ、結婚式

は後日行う計画だと言います。しかも、その結婚式は、彼の実家が持っているという、テニスコート10面分もの敷地がある大豪邸で行うのだと。

 

私が黙っていると、「あ、もしかして嫉妬しちゃった? 私が彼を奪わなかったら、お姉ちゃんが結婚できてたかもしれないもんね?」と妹。

 

さらに妹の自慢話は続きます。

 

「彼を奪っちゃってごめんね~♡大豪邸での結婚式には招待してあげるね!」

「フレンチシェフを呼んで~、お色直しは3回するの♡大豪邸を活かさなくっちゃね!」

 

私はある事実を妹に突きつけました。

 

「っていうか解体中だよね?」

 

 


「…え?」私の言葉に、妹が固まっているのがわかりました。


「その豪邸…多分この前、解体してたところだと思うんだよね。そんなところで結婚式って……本当なの?」

 

元彼と付き合っていたころ、その豪邸をご両親が持っているという話は聞いていました。そしてつい数日前、仕事の用事でその豪邸の前を偶然通りかかったとき、重機が取り壊しているのを私はしかとこの目で目撃していたのです。近所の噂では、老朽化が激しく維持費もかさむため、更地にして土地ごと売却するとのこと。


「う、嘘でしょ!? 彼、ご両親に話しておくって言ってたのに……」と焦り出した妹に、私は「とりあえず現場を見てきたら? あなたが期待してる豪邸は、もうただのがれきの山だと思うけど」とだけ言って電話を切りました。
 

略奪婚した2人からの身勝手すぎるSOS

1時間後――。

 

「どうしよう! 本当に解体してたんだけど!」

 

妹が慌てて彼を問い詰めたところ、彼は衝撃の事実を白状しました。彼は数カ月前から父親の事業が傾いていることを知っていたものの、プライドからそれを認められず、「なんとかなるだろう」と高をくくっていたのです。豪邸の売却や解体の話も家では伏せられており、妹には一切伝えていなかったようです。玉の輿を夢見る妹に真実を話せば、捨てられると怯えたのかもしれません。
 

「こんなの聞いてない! こんなはずじゃなかったのに!」

 

つまり、玉の輿に乗ったつもりが、実際は落ち目の地主一家に嫁いだ、というわけです。しかも、元彼は実家をあてにしていたため貯金はほぼなく、妹自身も給料は毎月使い切る生活。元彼の両親も「はなから援助するつもりはなかった」の一点張りで、まさに八方塞がりなのでした。

 

 

 

数日後――。

 

今度は元彼から泣きそうな声で電話がありました。元彼の実家は現在、億単位の借金を抱えており、資産はほとんど残っていないのだそう。

 

さらに、元彼の両親は「自分たちの生活は自分たちでなんとかしろ」「面倒見てきてやったんだから、これからは俺たちの生活を支えろ」と元彼に言っているのだとか。そして、私の妹からは「離婚したい」と言われているそう……。

 

元彼は情けない声で「俺たち……やり直さないか?」と言ってきましたが、私はもちろんきっぱりと断りました。元彼の本性を知った時点で、復縁なんて無理でした。

 

さらに数日後――。

 

今度は妹から「あの男、貯金もないのよ! とりあえずの生活費を貸して! 姉妹でしょ!」というあきれた電話がかかってきました。

 

「お姉ちゃんでしょ! 助けてよ!」と言う妹を、私は「その姉を先に裏切ったのはそっちでしょ?」と冷たく突き放しました。私を裏切って楽しそうに笑っていたあの瞬間から、彼女はもう私の妹ではなくなったのですから。ちなみに、入籍自体は済んでいるが、披露宴は当初の計画どおりには行われておらず、別会場か延期のままになっている、という状況のようです。

 

その後――。

 


最後の頼みの電話を受けた後、私は彼と妹の連絡先をすべてブロックしました。だから、それからどうなったかは知りません。信じていた2人に裏切られた悲しみは、今でも時々私の胸を締め付けます。

 

しかし、結婚という大きな決断の前に、元彼と妹の本性を知ることができたのは不幸中の幸いだったのかもしれません。あのまま結婚していたら、もっとつらい未来が待っていたかもしれません……。

 

人の価値や幸せは、お金や家柄、肩書だけでは測れない、もっとも大切なのは、誠実さや思いやりなのだとこの一件を通して気づきました。そして、誰かに幸せにしてもらうのではなく、自分で自分の幸せを見つけたいと思うように。これから私は自分の足でしっかりと立ち、新しい道を歩んでいこうと思っています。

 

 

【取材時期:2025年7月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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