玄関で母が夫に放った言葉
初めての妊娠・出産は、期待と同時に大きな不安でいっぱいでした。そんな私を見かねてか、母が「私たちが交代で面倒を見るし、育児に慣れてから自宅に帰るほうが安心よ」と言ってくれたため、里帰り出産を決めました。
ただ、今思えば、それが安易な決断だったのかもしれません。私の母は、昔から自分の価値観が絶対で、気に入らないことがあるとすぐに文句を口にする人でした。たとえば、私の夫が何か少しでも気が利かないことがあると、私に聞こえるように「本当に常識がない人ね」と吐き捨てるのです。
この里帰りは母からの提案だったので、その言葉に甘えることにしました。しかし実際は、赤ちゃんの世話で細切れになった睡眠の合間を縫って休もうとしても、母がひっきりなしに話しかけてくるため、心身ともに休まる暇がありませんでした。
さらに決定的な出来事が起こります。夫が仕事で疲れているにもかかわらず、娘に会いたい一心で実家まで来てくれた日のことでした。母は「部屋が散らかっているから」という理由で夫を家に入れようとせず、父と子の対面は、冷たい玄関先でほんの数分だけ。
娘を愛おしそうに抱く夫の横で、仁王立ちする母。その光景に、私は悔しさと申し訳なさで胸が張り裂けそうでした。 わざわざ会いに来てくれた夫に対して、あまりにもひどい仕打ちです。私はこれ以上ここにいてはいけないと強く感じ、予定を切り上げて急いで自宅へ戻ることにしました。
わが家に戻ってホッとしているとLINEが届きました。
「旦那は、嫁と子どもがお世話になったのに手土産もない。『ありがとうございます』と普通は持ってくるでしょ。もうこの家の娘じゃないんだから。あんたの旦那は本当に常識がないね」と私にLINEで送ってきました。
たしかに実家の世話にはなりましたが、お礼は折に触れて伝えてきたつもりですし、今回は滞在費用としてお金も渡してあります。母の言葉は、産後でただでさえ不安定な私の心に、深く、鋭く突き刺さりました。
今でも母に会うときは、また何か言われるのではないかと、無意識に心をガードしてしまいます。自分の心を守るため、今は母と少し距離を置くことにしました。
あのつらい経験は、皮肉にも私にかけがえのない宝物の存在を教えてくれました。どんなときも味方でいてくれる夫と、愛しいわが子の笑顔です。この温かい家庭を、今度は私が全力で守っていきます。
著者:浅田みかこ/20代女性/6歳の娘を育てるママ。元幼稚園教諭の専業主婦。趣味はナノブロック作り。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
※AI生成画像を使用しています
【Amazonギフト券プレゼント♡】みなさまの体験談を募集しています!
妊娠中や子育て中のエピソードを大募集!「ベビーカレンダー」のニュース記事として配信、公開いたします。体験談を掲載させていただいた方の中から、抽選で毎月5名様に1000円分のAmazonギフト券をプレゼント。何度でも応募可能ですので、奮ってご応募ください♪どうぞよろしくお願いします!