妊娠してから出産するまで、またその後も含めてさまざまな助成制度があります。今回は専業主婦・パートなどの扶養の範囲の人を対象とした手続きについて、時系列でまとめましたので参考にしてください。
1.妊婦健診助成・補助券(お住いの市区町村)
お住いの市区町村に「妊娠届」を出すことによって、母子手帳と合わせて妊婦健診の補助券(受診票などの名称の場合もあります)を受け取り、妊婦健診の際に医療機関に提出します。
里帰り出産でお住いの医療機関を受診しない場合や助産院での受診の場合は、補助券が使えないこともあります。しかし、領収証と補助券、申請書類などを提出することで、補助券と同格の助成金を受け取ることができる場合もありますので、里帰り出産や助産院での出産を検討している場合は、その旨も市区町村の担当者に確認することをおすすめします。
2.出産育児一時金(扶養されている人の健康保険)
通常、普通分娩の場合は健康保険が適用されませんが、子ども1人につき42万円(このうち産科医療補償制度 保険金が1.6万円)の出産育児一時金が支給されます。医療機関の窓口に直接支払われること原則ですが、医療機関が対応していない場合には、一度全額出産費用を立て替え、後日、健康保険から出産育児一時金が振り込まれます。
また、健康保険組合や共済組合によっては、独自の付加給付がプラスされることもあります。出産する医療機関の窓口にこの制度の利用ができるか確認をして、立て替えた場合は扶養している人(夫、または親など)の加入している健康保険で請求をしましょう。
3.児童手当(お住いの市区町村・公務員の場合は勤務先)
出生後から中学校卒業までの期間、3歳未満が1万5,000円、3歳~小学校終了までの期間が1万円(第3子以降は15,000円)、中学校修了(15歳になったあとの最初の年度末)までが10,000円、所得制限を超える場合はいずれの期間も5,000円が支給されます。所得制限については所得金額・扶養人数で異なりますので、お住いの市区町村でご確認ください。
児童手当は子どもに直接手当が支払われるわけではなく、対象となる子どもの養育者が対象で、原則生計の主体者であることが多いです。申請翌月分からの支給となりますので、出生届と同時に手続きすることをおすすめします。
4.乳幼児医療費助成(お住いの市区町村)
通常、小学校入学前の乳幼児でも医療費の自己負担は2割かかりますが、この自己負担分についての助成が受けられます。こども医療費助成と呼ぶこともあるこの制度ですが、市区町村の窓口で手続きをし、交付される乳幼児医療証(こども医療証)を健康保険証と合わせて医療機関に提示することによって2割の自己負担を無料にすることができます。
なお、薬の容器代や健康診断や予防接種の費用、差額ベッド代などは対象となりません。また、対象年齢も各自治体によって異なります。こちらも出生届と同時にお手続きをしましょう。
5.医療費控除の確定申告(お住いの管轄の税務署)
妊婦健診や出産について自己負担の金額で10万円を超えた分(所得200万円以下の場合は所得5%を超えた分)については、確定申告をすることによって所得税の還付と住民税の減額ができます。
また、出産関連費用だけでなく、そのほかの医療費と合計をして医療費控除の計算をします。同一家計で所得の高い人が申告をするほうが減税効果は高くなりますので、生計の主体者で確定申告をすることがほとんどです。
なお、医療費控除の確定申告は該当年の翌年の確定申告期間での手続きとなりますので、領収証をなくしたり、お手続きを忘れたりしないようにお気を付けください。