初めて抱いた違和感
わが家の隣の一軒家には、50代の男性が1人で住んでいました。男性は会うたびに娘をかわいがってくれ、好意的な印象でした。
ある日、娘と同じ0歳児を育てている友人家族と庭で遊んでいると、男性が何度もこちらを見てきました。不思議に思い声をかけると、「こちらの子もかわいいけど、やっぱり娘ちゃんのほうが好き」との発言が……。
子どもを比べる発言に困惑した私は、愛想笑いしかできませんでした。
そしてその日以来、少しずつ男性の言動が気になるようになっていったのです。
好意が恐怖に変わり…
男性は娘に向かって「大きくなったら結婚しようね」と冗談めかして話しかけるなど、その距離感にも違和感を覚えるように。
また、男性が腕を骨折しているときに遭遇し、「娘ちゃんを抱っこしたい」と頼まれたことも。私は「腕が悪化したら大変ですから」と断ったのですが、男性は「抱っこできるなら腕が壊れてもいい」と真顔で言い、引こうとしません。私は“腕を心配する体”で何度も断り続け、ようやく引き下がってもらえました。
だんだんとエスカレートしていく男性の言動。さらに夫の前ではそうした言動が見られないことにも不安を感じ、私は夫にすべて伝えました。
子どもを守るための決断
夫と「何かあってからでは遅い」と話し合い、私たちは隣家の男性と一線を引くことを決意。それ以降は、男性に会ってもあいさつだけにとどめ、娘の顔を見せず、すぐに立ち去るようにしました。娘には絶対に触れさせないことを徹底したのです。
こうした対応を続けるうちに、男性からの接触は次第に減っていきました。現在、娘は2歳。今では、男性と会ってもあいさつを交わすだけの当たり障りない関係性を保つことができ、安心して暮らせています。
ご近所付き合いも大切ですが、それ以上に子どもの安全が第一です。今回は“何かが起きる前に動く”ことができたからこそ、適度な距離感を保ちながらも穏やかな日常を守ることができたのだと思います。
◇ ◇ ◇
一見やさしさに見える言動でも、違和感を覚えたときにはその感覚を大切にしたいものです。子どもの安全を守るために、相手との関係性よりも“親としての直感”を信じて、早めに行動することも重要ではないでしょうか。
また、「通報するほどではないけれど不安を感じる」ときには、警察の相談専用ダイヤル「#9110」を利用するという方法もあります。
この窓口では、犯罪や事故に該当するか判断がつかないような緊急性のない相談を受け付けており、必要に応じて適切な対応やアドバイスを得ることができます。
110番のような緊急通報ではなく、判断に迷ったときの相談先として覚えておくと安心です。
子どもを守るための行動に、早すぎるということはありません。抱いた違和感をそのままにせず、気になったときは誰かに相談してみることも、子どもの安全につながるはずです。
著者:福田 茉春/30代女性。2022年生まれの女の子のママ。理学療法士として病院勤務を経て、現在は放課後等デイサービスにて子どもたちの支援をおこなっている。毎日朝活として読書と運動に励んでいる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
※AI生成画像を使用しています