僕を救ってくれたのは?
僕が、中途入社した会社の社長に出会ったのは、僕の親友がやっている飲食店にいたときのことでした。彼女は、親友のお店を気に入って何度か足を運んでいるようで、親友は彼女に僕のことを「高校のときからの友だち」と紹介してくれました。
「今でも、こうして付き合いがあって。よく食べに来るんです」
僕が言うと、彼女は「私もこのお店すごく好きなの! 高校からの付き合いか…そういうのいいね!」と言ってくれました。そのときの彼女の笑顔に、僕は心を奪われました。
そんな中、僕は当時経営していた会社の共同経営者にお金を持ち逃げされて、多額の借金を背負っていました。落ち込む僕が、親友の店で親友に励まされていると……。
「元気ないじゃん!」
そこへやって来たのは社長。親友が、「実はこいつすごい借金を背負っちゃって…仕事もお金もない状態なんだ」と状況を説明しました。
すると、社長が「それなら、うちの会社で働かない?」と驚きの発言をしました。社長はちょうど人手不足で働いてくれる人を探していたとのこと。僕は社長のやさしさに甘えて、手続きをして社長の会社に入社しました。
高卒をいびる課長
こうして僕は、中途採用でこの会社に入社したのですが、高卒の僕のことを、課長がいびってくる毎日で……。
「低学歴のやつに重要な仕事は任せられないな〜。雑用係がお似合いじゃないか?」
前職は何をやっていたのか聞かれることもあったため、この会社に来た経緯を説明しようとしても、課長は聞く耳を持たず。「自分でって…フリーターってことか?!」と曲がったふうに伝わってしまいました。
数年間は耐えましたが、ついに耐えられなくなり僕は自主退社することを決意。退職届を出そうと会社へ行くと、そこには社長の姿がありました。
「私の夫をいじめるのは誰!?」
社長は、どうやらご立腹で、課長に詰め寄っています。話している内容をよく聞いてみると、社長の口から驚きの発言が飛び出しました。
「私の夫をいびっているのは誰かしら?」
「え?! こいつが社長の旦那さん!?」
これには課長も驚きを隠せない様子でした。僕が唖然としていると、社長は
「この人はかつて共同経営で会社を経営していたのよ。若いのに仕事もできる優秀な人材だけど?」
それを聞いた課長は、「高卒でフリーターじゃなかったのか…」と愕然。「どうして言わなかったんだ!」と言う課長に、僕は「何度か言おうとしましたが、途中でさえぎられてしまうことが多くて…」と答えました。
その後、内部調査により、課長が僕にパワハラをしていたことが認められました。厳重注意を受けたことで、課長はプライドが傷ついたのか会社を休みがちに。そのまま退職してしまいました。
本気の想い
社長が課長へと怒ってくれた日の帰り、僕はずっと気になっていたことを思い切って社長に聞いてみることにしました。あの「夫」と言ったことです。
すると社長は、「課長を驚かせてやろうと思って!」と言いました。
僕は、社長の子どもっぽく笑う顔を見て、「僕は、本当にそうなりたいと思っています。社長は違いますか?」と思わずこぼしてしまいました。
僕の言葉を聞いた社長は驚きながら、「…さっきのは強がり。私も本当は、あなたのことが好きなの」と返してくれました。社長は、僕が困難に遭っても諦めず、一生懸命なところに惹かれていたよう。
こうして僕たちは結婚を前提にお付き合いすることになりました。会社ではしっかりした社長ですが、プライベートではかわいらしい、僕の恋人です!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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