一番下の弟は、幼いころから周囲のことを気にかけてくれる子でした。私が学生時代、生理の体調不良で伏せっていると、弟は「姉が月イチくらいのタイミングで元気がなくなる」ということに気づいたよう。弟が母にその理由を尋ねると、母は弟に生理のことを伝えたみたいでした。それ以降、弟は、私が生理と言っていなくても、不調そうにしていると、そっとブランケットをかけてくれたり、「横になったら?」と言ってくれたり……。より私を気づかってくれるようになりました。
そんな弟が小学校高学年になったころ。私は弟からあることを聞かれました。
弟曰く、教室におなかを押さえてしんどそうにしている女の子がいたそうです。弟は私を見てきたことから、「もしかして、生理でしんどいのかな?」と思ったみたいですが、直接的に聞くのは「デリカシーに欠ける」と思ったとのこと。考えたすえに「僕に何かできることはある?」と聞いたそうなのですが、女の子からは「男のあんたには言ってもわからないだろうから、いい」と言われてしまったそうです。
弟は、事情を察して「そうだよね。でも冷えるだろうから、これ着ていなよ」と上着を貸したとのこと。「こういうことがあったけれど、どうしたらよかったのか」と言われましたが、正直、私は圧倒されてしまって……。というのも、私が弟くらいの年齢のとき、同級生の男の子でここまで女の子の体のことを考えられた子はいなかっただろうと思ったからです。
たしかに男子から「生理?」と聞くと、気にしてしまう子もいるでしょうし、弟の対応はベストだったのではないかなと考えています。「弟ながらに……すごいな」と感じてしまいました。
弟は今でも、いろいろなことに気をつかってくれていて、とても助かっています。男性は生理について共感はできなくとも、理解することはできる。弟は素敵な大人になるんだろうなと感じた出来事でした。
著者:佐藤匡/20代女性・3姉弟の長女。女子校育ち。趣味は友だちと出かけたり遊んだりすること。
作画:ののぱ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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