見守りカメラが教えてくれた真実と義母の嘘
義母が遊びに来てくれていた、ある日の午後。おやつの時間を前にして、息子の大好物が切れていることに気づき、私はあわてて近所のスーパーへ走ることにしました。「10分くらいで戻りますね! すぐなので、すみません」と義母に声をかけ、息子のことをお願いしました。
ところが、家に戻ると聞こえてきたのは、息子の火がついたような泣き声でした。胸がどきりとし、急いでリビングへ駆け寄ると、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにした息子が、しゃくりあげています。
抱きしめて「どうしたの?」と尋ねても、「いたい、いたい」と繰り返すばかり。心配になって義母に顔を向けると、「おもちゃを踏んで、自分で転んじゃったのよ」と少し困ったような顔で言われました。
その言葉に、私はかすかな違和感を覚えました。息子が遊んでいたスペースに、足を滑らせるようなおもちゃは出ていなかったはず……。それに、ただ転んだだけにしては、あまりにも泣き方が激しい気がしたのです。
息子をあやしながら、私はそっとスマートフォンのアプリを開きました。リビングに設置している見守りカメラの録画を確認するためです。
するとそこに映っていたのは、義母の説明とは少し違う光景でした。息子は、義母が部屋の真ん中あたりに置いていた大きなボストンバッグに足を引っ掛け、前のめりに倒れていたのです。
もちろん、よく見ていなかった息子にも非はあるのかもしれません。でも、義母の言う「自分で勝手に転んだ」という説明とは、明らかに状況が違いました。真実がわかった安堵と同時に、どうして本当のことを言ってくれなかったのだろうという悲しい気持ちがこみ上げてきます。
事実を伝えなければ。そう決心して、冷静に、でもはっきりと映像の内容を伝えると、義母はばつが悪そうに顔を伏せ、「ごめんなさい」と小さな声で謝ってくれました。
今回の一件で、見守りカメラが事実を教えてくれたことに、少し複雑な気持ちになりました。家族を疑うために設置したわけではないからです。ですが、真実がわかって良かったと思いました。
そして、私自身も「言わなくても大丈夫だろう」「これくらいわかるはず」と相手に期待するのではなく、大切なことは丁寧に、具体的にお願いするべきだったと反省しました。
今回の出来事をきっかけに、義母とは、お互いに気まずさを残さないためにも、より丁寧にコミュニケーションをとっていこうと改めて思いました。
著者:小野寺舞/30代女性/3歳の男の子を育てるワーママです。フルタイム勤務で日中は保育園に預けています。
イラスト:きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年7月)
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