

実家への帰省が長期滞在に
出産前は、実家に帰省しても1~2泊程度。ところが子どもが生まれてからは、1週間ほど滞在するのが当たり前になりました。孫に会えて両親も喜んでくれますが、食事や子どもの世話など、私自身もつい甘えてしまう日々。
そのため、帰るときにはこっそりお金を置いて帰るのが習慣になっていました。直接渡すと遠慮されてしまうので、本棚に隠したり、冷蔵庫に潜ませたり……。ちょっとした遊び心で、両親に気をつかわせないように工夫するのが、私なりのお礼の方法でした。
見つけた両親から「気をつかわなくていいよ、でもありがとうね」と連絡が来ると、私の感謝の気持ちが届いたように感じ、ホッとしていました。
姉との思わぬすれ違い…
あるとき、帰省したタイミングで実家近くに住む姉も遊びに来ていました。その日は姉の子どもは一緒ではなく、母と姉と私の3人で、滞在中に姉の子と私の子を遊ばせるタイミングについて相談していたときのこと。
私が帰る日を伝えると、母が何気なく「今回は◯◯(私)にお金置いて行かれないようにしなきゃ~」と笑いながら話したのです。その言葉を聞いた姉は、驚いた様子を見せました。
その後、母がいない場所で、姉から「さっきの話、どういうこと?」と聞かれ、事情を説明。すると姉は、「そんなことされたら、うちもお金渡さなきゃいけなくなるじゃん」と少し怒ったような表情に……。
実家の近くに住む姉と、長期滞在して食費など金銭的にも負担をかけてしまう私とでは状況が違うことを伝えても、姉の中では納得しきれない様子でした。
新しいかたちのお礼を提案
姉にとっては「お金を置いていく=親への援助」のように感じて、不快に感じていたようでした。しかし私自身は援助のつもりではなく、あくまで長期滞在のお礼として渡したかっただけ。
そこで私は、ちょうど母の誕生日が近かったこともあり、「滞在のお礼をお金ではなく、誕生日プレゼントとして渡すかたちはどう?」と提案。
実家近くに住む姉は、両親の誕生日には直接お祝いし、食事やプレゼントも用意していました。一方、私は実家から離れていたため、これまでは「おめでとう」の連絡だけで済ませていたので、「私もこれからはプレゼントで感謝を伝えることにするね」と伝えると、姉も納得してくれました。
それ以来、私は実家への帰省時にお金を置くのをやめ、母の日・父の日・誕生日など、タイミングが多少ずれていても「遅くなっちゃったけど」と理由をつけ、プレゼントを渡すようになりました。
こうして、わが家では「お金ではなく、プレゼントで感謝を伝える」というスタイルが定着。姉とも歩み寄りながら、お互いが納得できる方法に落ち着くことができました。いつも温かく迎え入れてくれる両親には、これからも感謝の気持ちを伝えていきたいと思っています。
著者:宮田 さや/30代女性。2019年生まれ・発達ゆっくりさんな娘のママ。子育ての合間に勉強し、幼稚園教諭と保育士の資格を取得。子どもと関わる仕事に憧れつつも、現実はワンオペ育児に奮闘中。趣味は旅行で、近々、旅行先で惹かれた地域に移住予定。自分にも娘にも甘めで、毎日ゆるゆる、楽しく過ごしている。
作画:まっふ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)