「中卒の指示は不要です」コネ入社令嬢の傲慢な態度
家庭の事情で、僕の最終学歴は中卒。そのコンプレックスをバネに誰にも負けない努力を重ね、今では飲料メーカーの営業部でチームリーダーを任されています。
そんな僕のチームに、部長の姪だという新入社員がやってきました。僕が教育係に任命され、最初の業務を教えようとした時のこと。雑談の中で僕が中卒だと知った彼女は、スマホをいじりながらこう言い放ったのです。
「すみませーん、中卒の人の指示とか聞く気ないんで。今の時代、ググれば何でも分かりますしw」
その場が凍りつく中、彼女は悪びれる様子もありません。僕が血の滲むような努力で積み上げてきたものが、一瞬で踏みにじられた気がしました。
彼女の"命令通り"指示しなかった結果…
その後も彼女の態度は改善せず、「ググるんで結構です」「AIでデータは分析したので」と、僕の指示やアドバイスには一向に耳を傾けようとはしません。
このままではチーム全体に迷惑がかかると懸念し、課長に相談しましたが「部長の姪だから……」と及び腰になるばかり。
ならば、と僕は覚悟を決めました。彼女の望み通り「一切の指示をしない」と。課長の許可を得て、翌月の社内プレゼンの企画をすべて彼女に一任することにしたのです。もちろん、僕は一切サポートしません。
そして、運命のプレゼン当日。 意気揚々と準備を進めていた彼女は、練り上げた(つもりの)プランを自信満々で発表。
その様子を叔父である部長は「お、入ったばかりなのに鋭い提案してくるな。いいじゃないか」と目を細め、その場でプランを承認。すぐに彼女をリーダーとしてプロジェクトを進めるよう指示したのです。
鳴りやまない電話!涙目で助けを求めた彼女の末路
数日後、部署の電話が、けたたましく鳴り響きました。一本だけではありません。まるで嵐のように、次から次へと鳴り続けます。
「購買部から、見積もり金額に不備があるとの問い合わせです!」
「デザイン部が、連携された納期では到底間に合わないと……至急確認がほしいそうです!」
「売り場のエリアマネージャーから、指示された納品数が物理的に入らないとクレームが来ています!」
それは、彼女が担当していたプロジェクトに関する、各所からのクレームと問い合わせの電話でした。彼女が準備していた数字や納期はあくまで机上の空論で、現場のリアルな状況がまるで反映されていなかったのです。
事態を把握した彼女は、みるみる顔面蒼白に。自席で対応に追われますが、状況は悪化するばかり。ついにパニックになった彼女は、涙目で叫びました。
「だ、誰か助けてください……!お願いです、どうすればいいか教えてください!」
震える声で助けを求める彼女に、僕は静かにこう告げました。
「残念だけど、僕は中卒だから的確な指示はできない。それに、『指示は必要ない』と言ったのは君自身だろう?まずはググってみたらどうかな?」
僕の言葉に、彼女は「そんな……!」と絶望の表情を浮かべ、その場にへたり込んでしまいました。
この一件で彼女はもちろん、彼女を盲信した叔父である部長の信頼も失墜。成り行きを知った社長から、二人揃って厳重注意を受けたそうです。その事実がよほどプライドに障ったのか、彼女はほどなくして退職していきました。
人を学歴だけで判断する者は、いつかその浅はかさによって自分自身がつまずく──。
僕はこれからも、経歴ではなく、仕事への姿勢で信頼を勝ち取っていこうと、決意を新たにしています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。