え? 収入の差を持ち出すの?
私と夫は、6歳の長男、4歳の長女、2歳の次男を育てています。長男は生まれつき体が弱く、入退院を繰り返してきました。付き添いや、医師からの説明を聞くため、平日に病院に足を運ぶことも多く、フルタイムの仕事との両立はやはりハード。そのため夫と相談し、私はフルタイムの仕事から、業務量を調整しやすい在宅でできる仕事に転職しました。しかし、家にいる時間が長いとはいえ、家事・育児と仕事を両立するのはとても大変です。
特に私を悩ませていたのが洗い物。夕食後のシンクには、いつも食器や調理器具が山積みでした。しかし、子どもたちのお風呂や寝かしつけに手を取られ、洗い物は後回し。しかも、とある夫の行動で、よりうんざりしてしまう毎日なのです……。
夫はいつも子どもたちより遅く食事を終え、その後洗い物をしてくれます。ところが “自分の使った食器だけ”を洗うのです! どれだけシンクに食器がたまっていても知らん顔。私は不満を持ちながらも「夫は仕事で疲れているんだから」と自分に言い聞かせ、我慢していました。
ある日、仕事のトラブルでいつも以上に疲れていた私。思い切って夫に「今日は私も疲れているから、ほかの食器も洗ってくれると助かるんだけど……」と声をかけてみました。すると夫はバカにしたような表情で、「俺と同じくらい稼げるようになったら、いつでも皿洗いしてあげるよ」と言ったのです。夫婦で決めたはずのことが、まさか収入の差で上下関係をつけられているとは思わず、予想もしなかった言葉に私は何も言い返せませんでした。「子どものために話し合って転職したのに……」と悲しくなった私。結局その日も、私はひとり残った食器を片づけました。
数日後、義母が遊びに来たときのことです。夫が自分の使ったコップを洗っているのを見て、義母が「ちゃんと家事してるのね」と声をかけました。すると夫は「自分の食器くらい洗うよ。でもこの間こいつに、みんなの食器も洗ってって言われてさ」と答えたのです。さらに夫は「俺くらい稼げるようになってから言ってほしいよ」と続けました。
それを聞いて「なんてこと言うの!」と声を荒げた義母。驚く夫に、義母は「長男くんのために2人で話し合って嫁ちゃんが仕事をセーブすることにしたんでしょう? 嫁ちゃんが長男くんの面倒をしっかり見てくれているおかげで、あなたは支障なく仕事できているのに、その言い方はないわ!」と続けます。普段は穏やかな義母の厳しい言葉に、夫は黙り込んでしまいました。
その日の夜、「長男のためにと思って君に仕事を変えてもらったのに、あんな言い方をしてごめん」と謝ってきた夫。それ以来、自分以外の食器も洗ってくれるようになりました。
子どもが生まれると、いろいろなことが“これまで通り”とはいかないもの。仕事や自分のプライベートなど、何かを諦めないといけないこともあると思います。そんなときは“稼ぎの多さ”で優劣をつけるのではなく、夫婦でお互いを理解し、協力し合うことが大切だと学んだ出来事でした。
著者:菅田希美/30代・ライター。発達がのんびりな6歳の長男と大人びた発言をする4歳の長女、マイペースな2歳の次男を育てるママ。仕事と家事育児に追われ発狂しそうになりながらも「まぁいいか」の精神でなんとか毎日を切り抜けている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年7月)
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