公園で出会った女性が…
赤ちゃんのころから肌が弱い長男。7歳の今も定期的に皮膚科に通い、朝晩と処方された薬を塗っています。赤みや湿疹がなかなか治らず、腕は常にデリケートな状態。暑い時期には汗でかゆみが増し、かいてひどくなることも……。
そんなある日、5歳の長女と3歳の次女が通う保育園へ迎えに行く前に、長男と少しだけ保育園近くの公園で遊ぶことにしました。よく遊びに行くのは自宅近くの公園なので、普段は行かない公園に行けて長男もうれしそう。
「うんていできるから見てて!」と言うので、私は近くで見守ることに。うんていの近くにはベンチがあり、60代くらいのおばさんが座っています。するとそのおばさんが、長男の腕を見て「あら、かゆそうね。かわいそうに」と声をかけてきました。
私は「皮膚科の薬は塗っているんですけどね~」と世間話のようにサラっと言ったつもりでした。しかしおばさんは、私が悩んでいると思ったのか「かゆいときにはこれよ! 私もすぐよくなったんだから」と、バッグからなにか取り出します。それは“かゆいときに使う”と手書きで書かれた、透明な容器に入っている謎のクリーム。少し不審に思いながらも「すすめてくるだけなら、軽く聞き流せばいいか」と考えていると、おばさんは長男の腕をつかみ、勝手に謎のクリームを塗ろうとするのです。
私はびっくりしてとっさに長男をおばさんから引き離し「皮膚科で処方された薬があるので大丈夫ですよ」とやんわりと断りました。それでもおばさんは引かず「皮膚科の薬が合ってないのよ。大丈夫、このクリーム、前に薬局で買ったものなんだけど高いのよ。安物とは違うから。持ち歩きやすいように容器に入れていつも持ってるのよ〜」と根拠のない持論を展開。長男も知らない人に急に腕をつかまれたことで、おびえています。
その後もずっと「このクリームはねぇ、有名なあの成分が……」と話してきて、逃げるタイミングも失い困っていると「おばさん、またしてるの!?」と女性が声をかけてきました。よく見ると次女と同じクラスのAちゃんママ。この公園の近くに住んでいて、保育園のお迎えに行く途中だったよう。「この前うちの子に勝手にその薬塗ってたでしょ。うちの子の肌余計に赤くなって、あの後皮膚科に行く羽目になったんですよ! また被害者を増やすんですか?」と言ってくれたのです。
おばさんは「え!? そうなの? でも私の知り合いはみんなこれでよくなったのよ。これのせいじゃないと思うわ。責任を押し付けてこないでちょうだい!」と、まさかの逆ギレ。呆れた表情のAちゃんママが「たしかにそのクリームが原因かどうかははっきりわからないけど、おばさんのしてることこそ善意の押し付けだよ!」と反論すると、おばさんは何も言い返せない様子です。
それを見て「ほら、ぐうの音も出ないでしょ? 今後は、勝手に子どもに何かするのはやめてください」とハッキリと言ってくれたAちゃんママ。おばさんは「わかったわ」と言い、長男と私に謝り、去っていきました。
Aちゃんママは「あの人この公園によくいて、お節介ばかりしてくるからこの辺じゃ有名なのよ」と、話してくれたのでした。
以降、私と息子はその公園に行っていませんが、Aちゃんママに聞いたところ、おばさんはそれからむやみにお節介をしてこなくなったそうです。
Aちゃんママがいなかったら、断り切れず息子もクリームを塗られていたかもしれません。きっぱりと断ることが苦手な私ですが、子どもを守るためにも、ときにはきぜんとした態度で伝えることが大事だと学んだ出来事でした。
著者:下野香月/30代・ライター。面倒見のいい7歳の長男と、ひょうきんな5歳の長女、甘えじょうずな3歳の次女を育てている元保育士ママ。在宅勤務をしながらスキルアップ中。日々子どもたちに癒やされながら、忙しくにぎやかな毎日を送っている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年7月)
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