毎日の連絡とストレートな好意
その後、彼と交際をスタートさせた私。付き合い始めてからも彼の印象は変わらず、朝は「おはよう」、夜は「今日も1日お疲れ様」と毎日連絡をくれ、とても丁寧でした。
時に「今までで一番落ち着く」「お前みたいな子、初めて」と、まっすぐで温かい言葉を惜しみなく伝えてくれ、そんなメッセージを受け取るたびに、心の奥にぽっと灯りがともるように自己肯定感が高まりました。「私ってこんなにも大切にされているんだ」と実感する瞬間だったのです。気づけば、彼の存在が日々の中でかけがえのない支えとなり、私はすっかり彼に夢中になっていました。
混ざり始めた元カノ話
付き合い始めて1カ月を過ぎたころから、彼の会話に少しずつ、彼の元カノの悪口が混ざるように。
「昔の彼女、すぐ泣くタイプでさ、疲れたんだよね」「元カノのひとりは束縛すごくて、夜中に30件くらい着信がきてた」――。その口ぶりは、まるで自分は被害者で、元カノたちが“問題のある人”だったかのように……。
最初は軽く流していましたが、会うたびに出てくるのは「浮気する元カノ」「ヒステリックな元カノ」「マウントばかり取る元カノ」……。まるで彼の過去には、ろくでもない女性しか存在しないかのようなラインナップでした。
一方で私は、「でも君は違う」「君は安心できる」と持ち上げられ、完全に「選ばれし特別な女ポジション」に浮かれていました。
褒め言葉に潜むトゲ
ただ、付き合いが長くなるにつれ、次第に私への言葉にもトゲが混じりはじめました。「元カノは料理が本当にダメだったけど、君はまあまあかな」「前の彼女はすぐ怒ってた。君はまだマシだね」と。褒めているのか、けなしているのかわからない言葉。小さなモヤモヤが胸に溜まっていきました。
ある日、ちょっとしたことで涙ぐんだ私に、彼はため息をつきながらこう言いました。
「やっぱり君も、あの子たちと同じだったんだね」。
その瞬間、私の中で何かがスッと冷め、「ああ、この人は私をラベリングしたんだ」と悟りました。
それから彼からの連絡は減り、会ってもどこか他人行儀に。そして自然消滅のようなかたちで関係は終わりました。私が「ちゃんと話したい」と伝えても、彼は「今は仕事が忙しい」「考えさせて」の一点張り。結局、きちんと話し合うことはないままでした。
「元カノの悪口ばかり言う男」は、他人を批判しているようで実は自分の未熟さや問題を相手に転嫁しているのではないかと感じさせられました。そして、「お前だけは特別」と言う人ほど、きっとその言葉を誰にでも使っているのでしょう。過去の話には、その人の人間性が透けて見えると、身をもって思い知りました。
著者:桐島千夏/40代女性・母子家庭のママ。フリーのライターとして活動中。恋愛をはじめ、過去の体験談などを執筆している。
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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