頼りにしていた兄のような男性
20代のころに働いていたスナックで出会った既婚者の男性は、少し年上であったものの若くして現場仕事の社長をしていました。誰にでもやさしく、気づかいができる人で、これまで出会ってきたお客さんとはどこか違う雰囲気を纏っていました。
周囲からも頼りにされることが多い方で、私もいつしか彼にプライベートの相談をするように。次第に、私の中では「兄」のような存在になっており、お店ではお互いに相談を聞いたり、聞いてもらったりする関係を築いていました。
「俺らも、どう?」と関係の誘い
兄妹のような関係が数年続いたある日、彼から本業とは別に副業として新しい仕事を始めたと聞きました。そして、その副業がかなりいい方向に進んだということも。
副業をきっかけに彼は、お金持ちの社長など裕福な人たちと出会うことが増えたようです。そんな方たちに影響されたのか、だんだんと発言に共感できなくなるように。強引で横柄な上からな物言いも増え、彼への信頼も少しずつ薄れていきました。
そんなある日……。このときはスナックを辞めキャバクラで働いていた私。お客さんとしてやってきた彼が突然、「お金持ちの社長が、月50万の契約で愛人を探してる」「いい人がいないか」と言ってきたのです。
変わってしまった彼にショックを受けながらも、友だちや知り合いを売るようなことをするつもりはなかったため、話を流した私。そのまま何気ない会話を続けていましたが、愛人の話に戻ってきて
「俺らもさ……どう?」
と、兄のように思っていた彼から、「俺の愛人にならないか」と誘われたのです。
信頼関係の崩壊
当時、私には彼氏がいましたし、そもそも彼は既婚者。当然あり得ないと思いました。
そしてこの発言をきっかけに私は長年続いた彼との関係を断ちました。
お店の「客とスタッフ」として出会い、兄妹のようなとてもいい関係でいられたと思っていました。特に彼の場合は既婚者でもあり、「そんなことはない」と思っていた私。しかし、どれほど誠実で信頼できるように見えたとしても、相手も同じように見ているとは限らないと学んだ出来事となりました。
著者:柳瀬蓮/30代女性・元キャバ嬢ライター。約10年、夜職に勤務しその経験を基に現在はコラムやエッセイ・シナリオライターとしてさまざまな記事や脚本を執筆している。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートなどで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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