単身赴任の直前に抱いていた違和感
僕の単身赴任は、妻も応援してくれ「頑張ってね」と背中を押してくれていました。ただ、今思えば、その様子がどこか芝居がかっているように感じたのも事実です。あまりにあっさりと送り出されているような感覚に、ほんの少しだけ胸の奥がざわついていました。
出発の朝。妻に笑顔で送り出された僕ですが、途中で忘れ物に気づき、自宅に戻りました。
そして、玄関のドアをそっと開けたときのことです。リビングのほうから妻の声が聞こえました。
「やっとあの甲斐性なしがいなくなる。今日からはいっぱい会えるね。●●くん♡」と。
妻は電話をしていたようで、電話越しに話していた相手の名前は……なんと僕の同僚男性の名前でした。
同僚たちには結婚する際に妻のことを紹介したので、もちろん面識があります。いつのまに、個人的に連絡を取り合う仲になったのでしょうか。
頭が真っ白になるとは、まさにこのことだと思いました。笑顔で見送ってくれた直後に、まさかそんな言葉を聞くことになるとは。信じたくなくて、でも耳に残った言葉の生々しさが、そのまま現実を突きつけてきました。
同僚男性に電話すると…?
結局、忘れ物も取りに行けないまま僕はそっと家を出て目的地へ向かいました。移動する際は何も考えられず、ただただ呆然としていました。この日はそのまま営業所に顔を出す用事があり、一度営業所によると、営業所にいた同僚たちから顔色の悪さを指摘されて……。僕は思わず、妻の件を打ち明けてしまいました。
同僚たちは真摯に僕の身に起きたことを聞いてくれ、「それはひどいですね」と共感してくれました。そして同僚からは、「浮気相手であろう男性の同僚に連絡をして、事実確認をしてみたらどうか」と言われました。たしかに、妻が名前を口にしていただけで彼だとは限りません。
一度きちんと話をするため、僕は男性同僚に電話をかけました。
電話にすぐに出てもらえたので、「今、どこにいる?」と問うと、「自宅で休んでいる」と彼。彼はこの日、有給休暇だったそうです。すると背後から、インターホンが鳴る音が。わが家のインターホンは少し特殊な音なのですが、まさにわが家のインターホンの音でした。そして、背後から妻の声も……。
彼は、妻と一緒にわが家にいる――。クロ確定だと感じた瞬間でした。
言い逃れのできない状況に、彼も観念したよう。しぶしぶながら、2人の関係を認め、離婚を促してきました。慰謝料についても「責任を取る」と口にしたのです。
離婚という決断
あまりにも突然で、そして想像以上に浅はかだった2人の言動に、怒りよりも呆れが勝ってしまいました。そして僕は妻と離婚をすることを決意。単身赴任初日にして妻の浮気がわかり、まさか離婚をするに至ることになるなんて。その後はスムーズに離婚。2人には慰謝料を支払ってもらいました。
あの日、玄関先で聞いた言葉は、今でも頭の片隅に残っています。でも離婚した今は、前を向くしかないという気持ちです。今回の単身赴任も、大きな仕事を任せてもらえたからこそ。「今は仕事を頑張る時期」そう言い聞かせて、これからの人生を歩んでいこうと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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