毎晩送りつけられる漢文に限界!
初産で息子を産んだ際に出血が多かった私は、貧血を起こし退院後も鉄剤を飲まなくてはなりませんでした。産後は里帰りし、母に自分の食事や息子の世話をずいぶん頼っている毎日。この状態で同居中の夫の実家に帰るのは申し訳なさを感じ、義母から送られてくる帰宅の催促メールに里帰りを延ばす連絡を返しました。すると既読がついたまま返信が来なくなり「わかってもらえたのかな?」と思っていましたが……。
ある夜、突然、まったく読めない漢文が送られてきたのです!「え? 何かお義母さん間違えたのかな……」と困惑していると「この漢文の感想を今日中に返信しなさい」と続けてメッセージが……。どういうことかわからず、夫に連絡をすると「教養を身につけてほしいから、宿題を出したって言ってるよ。頑張れ!」という返事にがく然。
義母は中学校の国語教師で、夫が子どものころから教育熱心な方だったそう。夫は義母に強く言えない立場で、今回の嫌がらせは私のためと丸め込まれている様子。「私はお義母さんの生徒じゃないんだけど……」と思いつつ波風を立てたくなかったので、インターネットで漢文の意味を調べ、なんとか義母に感想を返しました。それが悪夢の始まりとも知らずに……。
次の日も、その次の日も、毎晩新しい漢文が送られてくるのです……。大ごとにしたくなかったため、夫以外に相談していませんでしたが、夜間の授乳で寝不足だったこともあり、すぐに情緒の限界が来ました。スマホに通知が来るたび手が震え、動悸と冷や汗が止まらなくなったのです。
「お母さん、助けて……」
耐えられなくなった私は母に事のてんまつを話すと、鬼のような形相の母はすぐに夫に抗議の電話をしました。「あなたのお母さん、どうかしてる! 産後で体調不良の娘に毎日漢文を送りつけて。謝罪が無ければ娘も孫も二度とそっちに顔見せないから! 娘の荷物全部こっちに持ってきなさい! できないなら離婚してちょうだい!」と怒鳴ります。そのときの母の剣幕には、言葉が出ないほど驚愕したのを覚えています。
夫はその場では「すみません」と言ったようですが、母は「納得いってなさそうだった」と呆れた様子。義母の嫌がらせにはもちろん、私の味方をしなかった夫の頼りなさを聞きつけ、母から話を聞いた父や、実家に住んでいる妹まで、家族一同大激怒。数日後、実家にやって来た夫に対し、母を筆頭に家族が説得してくれたおかげで、義母の言いなりだった夫はようやく私の味方についてくれたのです。
その後、家に帰宅した夫が「嫌がらせはやめてくれ」と直接義母に言うと、「口答えする息子は今後帰ってこなくてよろしい」と勘当されてしまったそう。それ以上義母と話をしようにも、全く取り合ってもらえなかったようで、呆れた夫は一旦家を出ることに。ほとぼりが冷めるまで、夫は私の実家に滞在することになりましたが、結局義母からの謝罪も連絡もなく、私は里帰りをしたまま、夫もそのまま私の実家に住む運びとなったのです。
その旨の連絡を義母にメールすると、返信はありませんでしたが、夫の大量の荷物が無言で私の実家に送りつけられました。義母との関係は崩れたものの、離婚は回避できたので、私はこれでよかったと思っています。
義母は孫に早く帰って来てほしいがためにしたことかもしれませんが、ドラマの世界でもなかなか見ないような嫁いびりに、恐怖さえ感じました。今回の出来事から、私も普段ひとりよがりな押しつけを人にしていないか、改めて考えさせられました。将来、息子のお嫁さんにはやさしくしようと心に決めた一件です。
 
著者:清水清香/30代・ライター。1歳のひとり息子の母。共働きで忙しいが、充実した生活を送っている。趣味でイラストを描いたり、編み物をしたりするのが好きで、子どもの小物を作って楽しんでいる。
作画:ryo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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