フードコートの席とり合戦
自宅近くのショッピングモールに新しくオープンした、無料の子どもの遊び場へ出かけた日のことです。4歳の息子と1歳半の娘はいつもと違う遊び道具にテンションがあがり、お茶休憩も忘れるほど夢中になって遊んでいました。そのうちにお昼の時間になったので、子どもたちに声をかけ、フードコートで食べることに。
しかし日曜日のフードコートはやはり人が多く、席は簡単には見つかりません。諦めずに10分ほど探していたとき、目の前のテーブルの家族がちょうど移動しそうだったので、「次使っていいですか」と声をかけました。快く「いいですよ」と言ってもらったので、その家族が席を離れたあと、席を確保するためのハンカチを置こうとかばんの中を探していると、「そこ、私が先に取ってたんですけど!」と通路のほうから幼稚園児ぐらいの男女の子ども2人を連れたママが言ってきたのです。私は相手に「私ずっとここにいて、今私がご家族から譲ってもらったんですけど……」と話します。すると「だから何? 私が先に目をつけてたの」と理解しがたい反論をしてきたのです。
私は相手にしても無駄だと思い、「でも直接きちんと譲ってもらったので……」とお昼を食べる準備を始めました。しかし相手は「なんで先に取っていたのに勝手に座ってるの!」「この家族ひどいわ」など、周りの人にも聞こえるように私たちに対して文句を言いつづけてきます。周囲にいる他のお客さんたちも、私と前の家族のやり取りを見ていなかったのか、誰も助けてくれず、子どもたちはどんどん不安な顔に……。
さすがに私も周りの目が気になり、仕方なく席を譲ろうとしたとき、相手と一緒にいた男の子が「ママ、横取りはダメだよ!」と、母親にきっぱりと言ったのです。続けて、「前の人に譲ってもらったって言ってるんだから、この人が先だよ」と母親に諭すように話す男の子。少しの沈黙があり、そのママは「何よ! あんたたちのために席取ろうとしてんのよ!?」とイラついた表情で言い放ち、「せっかく見つけたのに……」とぶつぶつ文句を言いながら席を離れて行きました。
幼い男の子に気を遣わせてしまって申し訳ないという気持ちも抱きつつ、私はほっと胸をなでおろします。無事にお昼ごはんを食べることができ、子どもの顔からも笑顔が戻って安心しました。
子どもと一緒だと余裕がなくなってしまうことは私にもあります。イライラして、正しい判断ができなくなることもあるかもしれません。相手のママもきっと何か事情があったのかもしれませんが、理不尽な言いがかりで思い通りにしようとする行為はよくないと思います。どんなときも思いやりの精神をもって他人に接していきたいと思った出来事でした。
著者:木村凛/30代・ライター。4歳と1歳の兄妹を育てる転勤族ママ。繊細な長男と怖いもの知らずな娘の対応に追われる毎日。早く寝かせて自分磨きの時間も大事にしている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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