しかし、私の事情などお構いなしの義母。義母からの連絡に気づくのが遅くなったり、断ったりすると「口答えするな! だったらパートなんかやめろ! 同居しろ!」と、まったく聞き入れてくれません。
そもそも私たち夫婦は、結婚するときに「お互いの親とは同居しない」と決めていました。そのため、夫は義母に施設への入居を勧めていますが、義母は拒否。
「私は足腰が弱いだけで、頭はしっかりしている! 施設なんか入らずに自由に暮らしたい! 赤の他人に世話されるほど落ちぶれていない! 厄介者扱いするな!」と怒るばかりで、私を1日に何度も呼び出すのです。
義母自身も、かつて義祖母との同居を拒んだ過去があります。折り合いが悪く、義父が間に挟まれ大変だったと聞いています。義父が亡くなってからは義祖母を疎んじている義母ですが、最低限の交流は続いているようです。
執拗な義母からの嫌がらせ
「やっぱり息子と結婚させるんじゃなかった」
さらに義母は、私を呼び出し、いびるだけでは飽き足らず、「息子をたぶらかし、私を施設に入れようとするひどい嫁」だとご近所中で言いふらしています。町内の集まりや清掃にもまったく顔を出さないので、義母の話を信じる人はいませんが……。
私が同居を拒むのには、結婚時の約束や時間的な余裕のなさだけでなく、強い動機があります。もちろんそれは、義母への恨みです。結婚して以来、私がどれだけひどい仕打ちを受けてきたことか……。
挙げ出したらキリがありませんが、レストランに呼び出され、義母と友人の飲食代を支払わされたり、リクエストされた料理を作るも、それを捨てられたり。暴言や嫌みも数えきれないほど吐かれてきました。
そしてここ最近の義母は、あの手この手で私を呼び出し、電話は出るまでかけてきて、理不尽な要求にも私が承諾するまで電話を切ってくれず……。私のスマホは、義母専用かと思うほど、1日に何度も「食事を作りに来い」「掃除しに来い」「洗濯しに来い」などと、連絡が来るのです。
救世主登場!私を救ったのは…
ある日、私は高熱を出して寝込んでいました。そんな日も、義母は容赦しません。動けないので夫に連絡してほしいと伝えても、あくまでも私に来いと言い張る義母。それも、信じられない要件で「這ってでも来い」と言うのです。
「肩を揉んでちょうだい」
話を切り上げても、何度も電話をかけてきて、メッセージまで送ってくる義母。
「高熱を出しているんですが……」
どれだけ断っても、行けない理由を何度説明しても、「肩を揉め」と繰り返してくるのです。
「私は要介護なのよ!?」
この「要介護」というのも義母が勝手に言っているだけ。施設入りを打診すると、「まだまだ元気よ!」と言うのに、こんなときだけ要介護になる義母。本当に都合が良くてあきれます。それに、もし本当に介護が必要だったとしても、高熱の嫁を呼び出すのはあまりに非常識ではないでしょうか。
「わかりました! すぐ行きますね!」
行くと言うまで義母は納得しないため、私は仕方なく承諾しました。
私が行くと返事をしたとたん、調子に乗り、あれこれと用事を言いつけ、「終わるまで帰らせないから」と高笑いを始めた義母。私は義母との電話を切り、スマホの電源を切り、薬を飲んでぐっすり眠りました。
翌朝、スマホに電源を入れると、義母からの着信履歴がびっしり。するとまたも義母から電話がかかってきました。出ると義母は「早く連れて帰ってちょうだい!」と悲鳴を上げながら怒っていたのです。
実は昨日、義母との電話を切ったあと、私はわが家に遊びに来ていた義祖母に事情を説明しました。私と義祖母は仲が良く、よくわが家に泊まりに来ては一緒に食事や買い物などを楽しんでいたのです。
昨日は義祖母が「近くまで来たから」とわが家にお土産を置きに立ち寄ってくれたのですが、私が体調が悪いと知って看病をしてくれていました。そのタイミングで義母からの執拗な呼び出し……。事情を知った義祖母が「私が行くわ」と申し出てくれたのです!
義祖母と夫から下った罰
義祖母は義母の家に着くなり、「掃除をしろ」と活を入れたようです。いつも私に何でもやらせていた義母には、ちょうどいいリハビリになったことでしょう。
「お父さんが亡くなって、あの人(義祖母)とは無関係なのに!」
そう言う義母ですが、義父が亡くなったからと言って縁が切れるわけではありません。それに義母は、お墓を守るという約束で義祖母から定期的にお金を受け取っています。そのお墓の掃除や管理は、もちろん私に丸投げですが……。
しばらく義祖母が義母の面倒を見てくれることになり、私は風邪を治すことに専念。体調が戻ってから、私は義祖母と協力し、ひとり暮らしには十分すぎるほどの、私たち夫婦からの仕送りと義祖母からのお墓の管理費を義母が何に使っているのか調べました。
すると、ギャンブルに大金を使い込んでいることが判明。私たち夫婦に同居を懇願していたのは、生活費を抑えるためだったのです。義父の遺産はとっくに底をついており、仕送りもお墓の管理費も、すべてはパチンコや競馬に消えていました。
事情を知った夫は義母に、「介護が必要だと言うなら、俺がそのお金を出すから施設に入ってもらう。自由に暮らしたいと言うなら、自分の生活費は自分で稼いでもらう。これ以上、金銭的援助はしない。そして俺たち夫婦は今後一切、母さんと関わらない」と告げました。
その後、義母は「今さら働くなんて無理」と言い、しぶしぶ施設へ入居することを決断。おかげで私は、義母からの執拗な呼び出しに怯えることのない穏やかな暮らしを取り戻すことができました。義祖母とは今も仲良く、ときどき会って良好な関係を続けています。
◇ ◇ ◇
長年にわたる義母からの執拗な嫌がらせに、どれほど心をすり減らしたことでしょう。都合のいいときだけ「要介護」と言い、理不尽な要求をすることにも、高熱で苦しんでいると知りながら「肩揉み」で呼び出すことも、どれもあまりに身勝手であきれてしまいますね。義祖母の助けと、夫の決断により、長年の苦労が報われる結果となり、本当によかったです。心休まる穏やかな日々が続くことを願うばかりです。
【取材時期:2025年11月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。